小説むすび | 著者 : ジョナサン・フランゼン

著者 : ジョナサン・フランゼン

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妻として母として、セント・ジュードにある家で50年の歳月を過ごしてきたイーニッド・ランバートにとって、山積する不満はなかなか解消されない。介護や医療費のことが不安だし、長男の嫁との関係は悪化するばかりだ。夫のアルフレッドはすでに鉄道会社を退職している元技術者で、パーキンソン病を患って痴呆症が出始めている。子供たちは子供たちで、わが家を巣立ってから何年も戻ってこないまま。しかも、それぞれの生活は行きづまっていた。長男のゲイリーは地方銀行の部長で経済的には恵まれているが、妻子との関係が不調で鬱々とした日々を送っている。反抗的な次男のチップは大学で先鋭的な文学理論を講じていたが、女子学生と関係を持って辞職に追いやられ、破産寸前の状態。末っ子で一人娘のデニースは新進気鋭のシェフとして活躍しながらも、結婚や恋愛の面で波乱の連続だ。あらゆる期待を打ち砕かれていくイーニッドに残された望みは、家族の絆を取り戻すために、家族そろってわが家でクリスマスを祝うこと。かくして、家族の絆の修正(コレクションズ)は、最後のクリスマスの日に託されたが-。家族という私的な領域と、現代アメリカが直面している社会的領域とを、さまざまな手法を用いて巧みにリンクさせ、辛辣に、滑稽に、現代人にまつわる悲喜劇を紡ぎだす。全米図書賞に輝くベストセラー小説にして、21世紀初頭のアメリカ文学最大の話題作。

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