著者 : ジョン・バンヴィル
いにしえの光いにしえの光
撮影現場から姿を消した人気女優とあとを追う老俳優の、奇妙な逃避行。男の脳裏によみがえる、少年時代の禁断の恋。いくつかの曖昧な記憶が、思いがけず新しい像を結ぶー。思い出すたびに色合いを変える、遠い日の禁断の恋の記憶。ブッカー賞、フランツ・カフカ賞受賞作家による最新長篇。
バ-チウッドバ-チウッド
優雅な屋敷だったバーチウッドは、諍いを愛すゴドキン一族のせいで、狂気の館に様変わりした。一族の生き残りガブリエルは、今や荒廃した屋敷で一人、記憶の断片のなかを彷徨う。冷酷な父、正気でない母、爆死した祖母との生活。そして、サーカス団と共に各地を巡り、生き別れた双子の妹を探した自らの旅路のことを。やがて彼の追想は、一族の秘密に辿りつくが…。幻惑的な語りの技と、絶妙なブラック・ユーモアで綴る、アイルランドへの哀歌。作家・佐藤亜紀の華麗なる翻訳で贈るブッカー賞作家の野心的傑作。
コペルニクス博士コペルニクス博士
死の直前に刊行された『天球の回転について』によって近世の宇宙観に大革命をもたらした地動説の主唱者、コペルニクス。だが果たして彼は真の宇宙像を表し得たのか?アイルランド・ポストモダン文学の旗手がさまざまな仕掛けをめぐらして描く新感覚の伝記小説は、読者を知的興奮の渦に巻き込む。
ケプラ-の憂鬱ケプラ-の憂鬱
「初めに形ありき!」宇宙における調和は幾何学に基礎があると信じ、天球に数学的な図形を探し求めたヨハネス・ケプラー。本書は、天文学に捧げた彼の半生を追いながら、科学的真理は幻想から生まれることを描いたヒストリオグラフィック(歴史記述的)・メタフィクションである。1981年度英国ガーディアン小説賞受賞作。
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