著者 : ジョージ・オーウェル
主人公ウィンストンは、ビッグ・ブラザーと党が支配する、どこが相手かもはっきりしない戦時下の超管理社会イングソックの真実省で、公式の歴史改変を担当している。だがふとしたきっかけで禁断の日記を書き始め、そして若いジュリアとの禁断の逢瀬にふける中で、次第に自分の暮らす社会に対する疑問と反発を強める。しかし反政府組織に参加したと思った瞬間、彼は国家に捕らえられー現在のハイテク監視社会、情報操作とフェイクニュースによる大衆支配、戦争やテロを口実にした社会的自由の制約、密告と労働改造所や矯正収容所の思考操作、社会階級の固定化と格差社会、その他現代管理社会のありとあらゆる側面が恐ろしいほどの密度で詰め込まれた、不世出の傑作。
『動物農場』とはーイギリスの作家、ジョージ・オーウェルが1945年に発表した小説。人間から搾取されてきた農場の動物たちが一斉蜂起して「動物主義」の旗のもと、誰もが平等な社会を築こうとする。飛び抜けた知識をもつ豚たちが自然と指導者の地位につき、働いただけの成果を与えられる動物たちは幸せな毎日を送っていた。しかし指導者の豚の間で権力争いが始まり、やがて一頭の豚が権力を一手に掌握する。彼は反逆を企てた者たちを処刑するなど恐怖政治を敷くようになり、あろうことか人間との接近を図るまでになるー。『1984』で知られるオーウェルの寓意に溢れた小説を遺族が公認する形で初の漫画化。
「わたしやほかの仲間が夢みて必死に頑張ったのは、こんな世界のためじゃない」人間にしいたげられてきた動物たちが、運命に立ち向かうが…。美しい絵物語で読むオーウェルの傑作。今こそ読みたい!ソビエト連邦の歴史をモデルに、ジョージ・オーウェルが皮肉をこめて見事に描いた動物物語。金原瑞人による巧みな訳文と、美しい挿画でおくる新訳決定版!
飲んだくれの農場主を追い出して理想の共和国を築いた動物たちだが、豚の独裁者に篭絡され、やがては恐怖政治に取り込まれていく。自らもスペイン内戦に参加し、ファシズムと共産主義にヨーロッパが席巻されるさまを身近に見聞した経験をもとに、全体主義を生み出す人間の病理を鋭く描き出した寓話小説の傑作。巻末に開高健の論考「談話・一九八四年・オーウェル」「オセアニア周遊紀行」「権力と作家」を併録する。
1984年、世界は3つに分断され、オセアニア国はビッグ・ブラザーによる強固な管理体制が敷かれていた。その体制に疑問を抱くウィンストンは、政府に抵抗すべく日記をつけはじめるー。東西冷戦をモチーフに、人間と権力の危険な関係を暴露し、全体主義への警鐘を鳴らした20世紀ディストピア(反ユートピア)小説の傑作を漫画化。
「すべての動物の平等」を謳って産声をあげた動物農場。だがぶたたちの妙な振舞が始まる。スノーボールを追放し、君臨するナポレオン。ソヴィエト神話とスターリン体制を暴いた、『一九八四年』と並ぶオーウェルの傑作寓話。舌を刺す風刺を、晴朗なお伽話の語り口で翻訳。
人間にとって“お金”とは何か!貧困から来る孤独感、挫折と屈辱、そして鉢植えの「葉蘭」へ…。不況下のロンドンを舞台にした“現代的な”作品!書店員として働いた体験をもとに書かれた作品が今、新訳で甦る。
迫りくるファシズムと戦争の跫音を逃れ、故郷への道を急ぐ男の脳裡には、少年の日、秘密の池で見つけた巨大な魚の影がおどる。-しかし、何もかも〈ピカピカ、ツヤツヤ、スマート〉なこの時代に、変り果てた町で見たものは…一人の中年サラリーマンのささやかなオデッセイを通して鮮やかに描かれる、〈普通の人〉の生の軌跡。1930年代に早くも、20世紀末の状況を的確に予見していたオーウェルの傑作長篇小説。