著者 : ジーン・ウルフ
推理作家E・A・スミスの生前の記憶や感情を備えた複生体のE・A・スミス。彼は図書館に収蔵され、書架に住む“蔵者”である。このたびスミスは、図書館間相互貸借の制度によって、海沿いの村の図書館に送られた。そこで母親と暮らす少女チャンドラに借り出された彼は、何年も前に姿を消した彼女の父親探しを頼まれる。解剖学教授の父親は革装の本を残しており、その本には極寒の氷穴がある“死体の島”の地図が貼りつけられていた…。そんななか、スミスは図書館で自身の古い“版”の死体を発見するが!?巨匠ウルフの未完の遺作となった、『書架の探偵』続篇のSFミステリ。
図書館の書架に住まうE・A・スミスは、推理作家E・A・スミスの複生体である。生前のスミスの脳をスキャンし、作家の記憶や感情を備えた、図書館に収蔵されている“蔵者”なのだ。そのスミスのもとを、コレット・コールドブルックと名乗る令嬢が訪れる。父に続いて兄を亡くした彼女は、死の直前、兄にスミスの著作『火星の殺人』を手渡されたことから、この本が兄の不審死の鍵を握っていると考え、スミスを借り出したのだった。本に込められた謎とは?スミスは推理作家としての知識と記憶を頼りに、事件の調査を始めるが…。巨匠ウルフが贈る最新作にして、騙りに満ちたSFミステリ。
ドラゴンとの激闘で死んだはずのエイブルが、スカイからもどってきた!主君との誓いどおり峠の守りに立った彼の前に、三人の謎の騎士があらわれる。一方、エイブルの従者トゥッグは、セリドン王アーンソールの命により巨人族の王ギリングとの和平交渉のため、北方ヨツンランドへ向かう男爵ビエル一行に仕えて大活躍する。王に対峙する勇敢なる黒猫マーニ、暗躍するエルフ乙女のウリとバキ。やがて何者かによってギリング王の命が狙われ、風雲急を告げるウートガルト城ーエイブルは天翔る馬クラウドにまたがり颯爽と城を目指す!巨匠ウルフによる本格的ファンタジー大作“ウィザード・ナイト”第2部『ウィザード』開幕!
とうとう全面戦争に突入したセリドン王国と巨人族。気高き騎士エイブルはディシーリへの愛を胸に、イドゥン率いる女巨人たちと共にアンガーボルンと戦いながら、アーンソール王宛ての伝言を届けるべく王宮へ赴く。謁見のために武芸大会に参加する日々をへて、ようやく王と対面したエイブルを待ち受けていた苛酷な運命とは?“五つの定め”の謎めいた予言、“失われた愛の部屋”の幻惑、“龍の戦士”の出現、魔力を秘めた“大兜”、幽霊騎士と屍騎士との激突、そして壮絶な“川の戦い”-立ちはだかる危機を前に、ヴァルファーザーとの誓いを破るときがついに来るのか。多くの歌と物語になりし伝説、堂々完結!
ふと気づくと少年がいたのは異世界ミスガルスルだった。「あれらは裏切りと崇拝の物語とともにおまえをよこした…」不思議な謎を託された少年はエイブルと名を授けられ、妖精の女王ディシーリと出会い、魔剣エテルネを手に入れる使命が課される。中身は子供のまま体だけ大人の男となり、真の騎士となるための旅に出た少年を待ち受けるのは海賊、ドラゴン、巨人族の群れ。愛と名誉をかけた戦いの日々、そして剣と魔法にみちた冒険の日々がいま始まる…“新しい太陽の書”シリーズでSFファンタジーに新しい風を吹き込んだ巨匠ウルフがふたたび精魂をかたむけて送るファンタジー大作“ウィザード・ナイト”全4巻、刊行開始!
ウエスタン・トレーダー号に乗り込んで海を渡った“サー・エイブル・オブ・ザ・ハイ・ハート”は、七層からなる異世界での数々の戦を経て、仕えるべき公爵との誓いを果たすため北山脈の峠へと向かう。同行するのは巨大な犬ギュルフ、片目の船乗りプーク、しゃべる猫マーニ、お茶目な妖精ウリとバキ。旅先で出会うのは立派な騎士たちと可憐な姫君、そして変幻自在のドラゴンと人喰い鬼!果たして特別な剣エテルネは手に入れられるのか?熱血漢エイブルが真の騎士になるための試練はつづく…“言葉の魔術師”ウルフならではの華麗なる文章と斬新な構成、魅惑に満ちた異世界描写に彩られた傑作ファンタジー大作!
『ケルベロス第五の首』『デス博士の島その他の物語』の名匠ジーン・ウルフによる第二短篇集がついに登場。リンカーン誕生日から大晦日まで、アメリカの祝祭日にちなんだ作品で構成された予測不可能な物語が詰まった驚異のコレクション!出来損ないの世界でのビジネスマンの凝縮された一生を描く不条理中篇「フォーレセン」、ピーター・パン由来の死のイメージが散りばめられた不気味な一作「取り替え子」、車が○○する話「カー・シニスター」、クリスマス・イヴの新旧おもちゃの攻防戦「ツリー会戦」など“言葉の魔術師”ウルフが華麗な文体と技巧を駆使して贈る、予測不可能な物語と知的仕掛けに満ちた初期短篇全18篇を収録。
アメリカ中西部の町に住む老人ウィアは静かに回想する、自分の半生を、過去の不思議な出来事を、説明のつかない奇妙な事件を…時間と空間を錯綜して語られる、魅惑と謎に満ちた物語の数々。邯鄲の夢と幽霊の館、千夜一夜物語とアイルランド神話、死者を縛める書と聖ブレンダンと猫と鼠の王、腕のない女と石化する薬剤師ー巨匠の初期傑作長篇がついに登場!美しい謎につつまれた記憶と物語についての物語。
〈拷問者組合〉を追放され、流刑地スラックスからも逃走したセヴェリアンは、今また黄昏に沈む惑星ウールスの荒野を旅していた。やがてセヴェリアンは、兵士の死体に行きあたった。途方もない霊力と叡知を秘めた宝石〈調停者の鉤爪〉をもちいて兵士をよみがえらせたものの、セヴェリアン自身が病に倒れてしまう。熱にうかされた夢のなかで、彼は自分を待ちうける不思議な運命の片鱗を目にした。だが、すべての謎を解く鍵は、セヴェリアン自身に隠されていたのだ!全SF界の絶讃を浴びた「新しい太陽の書」が、宇宙的規模の壮大なクライマックスを迎える堂々の最終巻。ジョン・W・キャンベル記念賞受賞。
罪を問われて故郷の〈拷問者組合〉から追放されたセヴェリンは、幾多の冒険をかさねたのち、スラックスの街にたどりついて、警士としての日々を送っていた。だがふとした偶然で昔なじみのアギアと再会したことから、彼はスラックスを出て、再び荒野を目ざすことになった。セヴェリアンの前には、謎を秘めた人間や異形のものが次々と現われ、いつしか彼は、さしもの名剣テルミヌス・エストにも断ち切れぬ運命の糸にからめとられていくのだった!黄昏に沈む惑星ウールスを舞台に、言葉の魔術師と謳われるウルフが織りあげる傑作サイエンス・ファンタジイ第三部ついに登場!ローカス賞受賞。