著者 : タイガーアイ
旧大公家の血を引く一族の娘として生を受けたヴィヴィア。幼い頃から体が弱く家から出る事もままならない彼女は、従兄であるアンテルノ家の嫡男ロベルトを慕っていた。“血の近しいものと惹かれ合う”繰り返された血族婚とそれによって生まれた悲劇を避けるため、自分達は決して結ばれる事はない。そうわかっていながら、どうしようもなくお互いに恋焦がれてしまったヴィヴィアとロベルトは、周囲の猛反対を押し切りついに結婚する事に。その代償として「わたくしは貴方に健康な子どもを与えて差し上げる事ができないのですもの。だから、ちゃんとわかっているわ」「愛しているのは君だけだ。…どうかその事だけは忘れないで」ロベルトが他の女と生した子をアンテルノ家の跡継ぎ、すなわち我が子として迎えなければならないのだがー。
父である皇帝に捨て置かれ、生まれてからずっと離宮に閉じ込められて育った第一皇女のマリアージェ。まだ7歳の彼女に縁談が決まったと報せが届く。相手はマリアージェの14歳上で、異国の貴族の青年イエル。母と別れ、不安を抱えながらも年齢以外情報のないイエルの許へと向かったのだがー。ぶさかわいい冴えない外見のイエルに、マリアージェは一目で恋に落ちてしまい!?時にはイエルの地位を狙う義弟セガーシュと彼を溺愛する義父・義母との攻防を母仕込みの図太さと演技力で潜り抜け、幸せを謳歌しようとするのだが、二人の年の差が邪魔をして…!?
皇宮の中が、後継者争いで険悪なムードになる中、第四皇女ヴィアは焦っていた。それは好色家の義父である現皇帝が、自分の妾妃になるよう仄めかしてきたから。今までは病弱な設定で、目立たぬよう慎ましく生きてきたヴィアだったが、このままでは状況は悪化するだけ。ヴィアは自分の身と実弟セルティスの安全を守るため、次期皇帝と名高い第一皇子アレクに、期限つきの愛妾契約を持ちかけるのだが…!?「貴方は、花を愛でるように、わたくしを愛でて下さればよろしいのですわー」見た目は儚く麗しく、中身は逞しく聡明な皇女ヴィア。周囲は彼女の魅力に惹きつけられ、遂には大国の皇子をも振り回すー!
9歳のときに決められた婚約者から、長い間理不尽な扱いを受けていた下級貴族令嬢のシア。そんなシアが13歳になろうとする頃、二人の少年ーレイとケインに出会う。家名は伏せていたけれど、どこか気品がある彼ら。特に、姉が好きだと目を輝かせるレイと話をするときは、シアも悲しい気持ちを忘れることが出来た。「どこかでまた、君と会えたらいいな」「そうですね。きっと思いがけないところで再会するのかも」そんな小さな思い出を支えに過ごしてきたシアだったが、婚約者からの対応は日を追うごとに悪くなり…。そして19歳になったシアはレイと奇跡のような再会を果たす。その日から、シアの運命は思いもよらない方向に変わっていきー!?