著者 : ダンミル
心に深い傷を負ったまま命を落とし、子爵のひとり娘へ転生したジュリエットは後悔していた。前世の夫・オスカーと再会した際、両親を侮辱された彼女は、反射的にオスカーへ平手打ちを見舞ってしまったのだから。そして、そんな彼女のもとにオスカーから手紙が届く。そこには、ジュリエットを夕食会へ招待したいということ。加えて直接謝罪をしたいという旨が綴られていた。前世ではついぞその成長を見ることが叶わなかった愛し子・エミリアへの想いから夕食会へ参加したジュリエットは、その席でエミリアからある提案を持ち掛けられる。それはエミリアの家庭教師をジュリエットが務めるというもの。意外にもオスカーまでそれに賛成し、ジュリエットは彼の城で生活することになるのだが…?『氷の騎士』と呼ばれた伯爵と、彼に愛されることなく命を落とし、転生を果たした『はずれ姫』。これは、そんな不器用な二人が紡ぐ、恋の物語。
優秀な兄姉の影で『はずれ姫』と称される第四王女のリデルは幸せの中にいた。それもそのはず。ずっと抱き続けた恋を実らせアッシェン領を治めるオスカーと結婚することになったのだから。だが、幸福な時間は長く続かなかった。リデルはオスカーの妻としてふさわしくあろうと努めるも、そのすべては空回りし、次第にすれ違う二人の心。しかもリデルは、とある事件に巻き込まれ心に深い傷を負ったままその命を落としてしまう。時は流れ、リデルはフォーリンゲン子爵のひとり娘であるジュリエットへと転生。そして十六歳の誕生日を迎えた後、前世であるリデルとしての記憶を全て思い出すのだった。いまだ心の傷が癒えていないジュリエット(リデル)は、今世では平穏に生きることを望むもしかし、ある夜会へ参加したことをきっかけにオスカーと再会し…?『氷の騎士』と呼ばれた伯爵と、彼に愛されることなく命を落とし、転生を果たした『はずれ姫』。これは、そんな不器用な二人が紡ぐ、恋の物語。