著者 : チゴズィエ・オビオマ
小さきものたちのオーケストラ小さきものたちのオーケストラ
わたしの宿り主、チノンソ。ナイジェリア、ウムアヒア郊外で養鶏を営む彼は、橋かけ飛び降りようとしていた女性ンダリを助けた。ふたりは恋に落ちるが、チノンソに学歴がないことを理由に、ンダリの家族は交際に猛反対した。彼女と結婚するために、チノンソは家や鶏を売り、キプロスの大学に入学する。しかし現地に着いたとき、手続きを仲介した旧友にだまされていたとわかる。金もなく、家もなく、ンダリからも遠く離れたチノンソを、さらに苦難が襲う。数百年にわたり人間に宿りつづけてきた守り神“チ”-わたしーは、徹界の法廷でチノンソの人生を語りはじめる。西欧の語りとナイジェリアのイボ神話を融合させた、現代の『オデュッセイア』と評される文芸長篇。ブッカー賞最終候補作。
ぼくらが漁師だったころぼくらが漁師だったころ
厳しい父がいなくなった隙に、アグウ家の四人兄弟は学校をさぼって近くの川に釣りに行った。しかし、川のほとりで出会った狂人は、おそろしい予言を口にしたー。予言をきっかけに瓦解していく家族、そして起こった事件。一九九〇年代のナイジェリアを舞台に、九歳の少年の視点から語られる壮絶な物語。
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