著者 : チョン・ソヨン
私たちは共に、絶えず声を上げ、 お互いを思いやり、 しっかりと手を携えて生きていける 韓国SFの話題作『となりのヨンヒさん』著者チョン・ソヨンによる初の邦訳エッセイ集 「この社会で女性として生きるには、 絶えず自分を奮い立たせなければならない。 自分の発するほぼすべての社会的発言に「女だから」という フィルターをかけられることを覚悟しなければならない。 韓国で発言する女性として生きるということは、 そんな覚悟を持って、それでも次の世代のために 女性の居場所をひとつでも多く確保できるように、 発言し、主張し続けるということだ。 世間が耳を傾けずにはいられなくなるまで」 ーー本書より はじめに 第一部 信念を軽んじる世界で 第二部 発言する女性として生きるということ 第三部 私たちが物語になるとき 終わりに これが私の遺言 日本の読者の皆様へ 訳者あとがき
「現実を転覆する」韓国SFのめくるめく想像力による新しい時代の、新しい未来。ヒト、機械、鯨、ドローン、虫、ウイルス…星々に生きるものたちの6つの物語。新鋭から巨匠まで、韓国SFの最前線。
もしも隣人が異星人だったら? もしも並行世界を行き来できたら? もしも私の好きなあの子が、未知のウイルスに侵されてしまったら……? 切なさと温かさ、不可思議と宇宙への憧れを詰め込んだ、韓国SF短編集全15編。 同性愛、フェミニズム、差別と情報統制ーーマイノリティからのまなざしを受け止めつつ、人々の挫けぬ心を繊細に描く、「いま」と未来の物語。 宇宙飛行士を志す「私」は、夜な夜な母と囲碁を打ちながら、そのための勉強と準備を着々とすすめていた。しかし試験から帰ったその日、交通事故に遭い……。(「宇宙流」) 馬山沖には、亡者の残滓が水面に浮き上がって見える場所がある。ある日台風のニュースで、行方不明者リストの中に昔好きだった女の子の名前を見つけたヒョナは……。(「馬山沖」) スジョンの住む部屋の隣には、ガマガエルのような見た目の〈彼〉が住んでいる。 ある日ひょんなことから、その〈彼〉をお茶に招くことになり……。(「となりのヨンヒさん」) 【目次】 第一部 となりのヨンヒさん デザート 宇宙流 アリスとのティータイム 養子縁組 馬山沖 帰宅 となりのヨンヒさん 最初ではないことを 雨上がり 開花 跳躍 第二部 カドゥケウスの物語 引っ越し 再会 一度の飛行 秋風 【著者について】 チョン・ソヨン ソウル大学で社会福祉学と哲学を専攻。 大学在学中、ストーリーを担当したマンガ「宇宙流」が2005年の〈科学技術創作文芸〉公募で佳作を受賞し、作家としてのスタートを切った。 小説執筆と併行して英米のフェミニズムSF小説などの翻訳も手掛けている。 2017年には他の作家とともに〈韓国SF作家連帯〉を設立し、初代代表に就任した。 社会的弱者の人権を守る弁護士としても活動中。 【訳者について】 吉川凪(よしかわ・なぎ) 大阪市生まれ。新聞社勤務を経て韓国に留学し、仁荷大学国文科大学院で韓国近代文学を専攻。文学博士。 キム・ヨンハ『殺人者の記憶法』(クオン)の翻訳で、第4回日本翻訳大賞を受賞した。 著書に『京城のダダ、東京のダダーー高漢容と仲間たち』など、訳書にチョン・セラン『アンダー、サンダー、テンダー』、崔仁勲『広場』(以上クオン)など多数。