著者 : チョ・ナムジュ
コミュニティサイトへの投稿で、住民を混乱に陥れた「春の日パパ」とは誰か?警備員になったユジョンの父のその後は?一人デモをするアン・スンボクの動機とは?極狭い考試院に住み、塾でアルバイトをするアヨンの夢とは?不動産バブル、過剰な教育熱、格差に翻弄される住民たちの喜びと悲しみ。資産価値にこだわる者の果てしない欲望と苦悩。持たざる者の苦労と、未来への希望。架空の町のマンションを舞台にした連作小説。
『82年生まれ、キム・ジヨン』著者チョ・ナムジュのデビュー作!抜群の聴力を持ちつつも、周囲からさげすまれる少年。衰退する市場の起死回生を図る店主。業界での生き残りを賭けるTVディレクター。三者三様の悲喜こもごもは、壮大なサバイバルゲームへとなだれ込み、三つのカップのように渦を描く。文学トンネ小説賞受賞の傑作!
『キム・ジヨン』の多大な反響と毀誉褒貶、著者自身の体験を一部素材にしたような衝撃の短編「誤記」ほか、10代の初恋、子育て世代の悩み、80歳前後の姉妹の老境まで、全世代を応援する短編集。
中学校の映画部で仲良くなったソラン、ダユン、ヘイン、ウンジは「いつも一緒にいる四人」。中学三年生になる直前、彼女たちは旅先の済州島で衝動的にある約束を交わし、タイムカプセルに入れて埋める。さまざまな感情と計算が隠されたこの約束をめぐって、次々と事件が起こるがー。誰もが味わう試練、少女4人で乗り越えていくシスターフッド小説。
「文藝」86年ぶり3刷の2019年秋季号特集小説がパワーアップ!日韓最前線、12人の作家たちが響きあう。ベストセラー『82年生まれ、キム・ジヨン』のチョ・ナムジュが贈る、夫と別れたママ友同士の愛と連帯を描いた「離婚の妖精」をはじめ、覆面SF作家デュナ、松田青子による初邦訳作&書き下ろしを収録した決定版。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・韓国で135万部突破チョン・ユミ、コン・ユ共演で映画化社会現象を巻き起こした大ベストセラー小説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日本でも圧倒的共感の声! 「これはわたしの物語だ」異例の大ヒットで、ついに22万部突破!!「女性たちの絶望が詰まったこの本は、未来に向かうための希望の書」--松田青子2019年間ベストセラー(「単行本 文芸書」部門第8位/トーハン調べ、「単行本 フィクション」部門第10位/日販調べ)6か月連続売上第1位! (2019年1-6月 海外文学部門/トーハンTONETS i調べ)ひとつの小説が韓国を揺るがす事態にK-POPアイドルユニットのRed Velvet・アイリーンが「読んだ」と発言しただけで大炎上し、少女時代・スヨンは「読んだ後、何でもないと思っていたことが思い浮かんだ。女性という理由で受けてきた不平等なことが思い出され、急襲を受けた気分だった」(『90年生まれチェ・スヨン』 より)と、BTS・RMは「示唆するところが格別で、印象深かった」(NAVER Vライブ生放送 より)と言及。さらに国会議員が文在寅大統領の就任記念に「女性が平等な夢を見ることができる世界を作ってほしい」とプレゼント。韓国で社会現象にまで発展した一冊は台湾でもベストセラーとなり、ベトナム、アメリカ、カナダ、イギリス、イタリア、フランス、スペインなど25カ国・地域で翻訳決定。本書はもはや一つのだ。ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかの様子のキム・ジヨン。誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児……キム・ジヨン(韓国における82年生まれに最も多い名前)の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。「キム・ジヨン氏に初めて異常な症状が見られたのは九月八日のことである。(……)チョン・デヒョン氏がトーストと牛乳の朝食をとっていると、キム・ジヨン氏が突然ベランダの方に行って窓を開けた。日差しは十分に明るく、まぶしいほどだったったが、窓を開けると冷気が食卓のあたりまで入り込んできた。キム・ジヨン氏は肩を震わせて食卓に戻ってくると、こう言った」(本書p.7 より)「『82年生まれ、キム・ジヨン』は変わった小説だ。一人の患者のカルテという形で展開された、一冊まるごと問題提起の書である。カルテではあるが、処方箋はない。そのことがかえって、読者に強く思考を促す。小説らしくない小説だともいえる。文芸とジャーナリズムの両方に足をつけている点が特徴だ。きわめてリーダブルな文体、等身大のヒロイン、ごく身近なエピソード。統計数値や歴史的背景の説明が挿入されて副読本のようでもある。」(訳者あとがきより)解説:伊東順子装画:榎本マリコ装丁:名久井直子