著者 : すんみ
ミシン会社で働くサンスと敬愛。お荷物社員の二人がチームを組むことになった。すれ違い、空回りしながら距離を探り合う日々。やがて互いの過去が少しずつ関係を変えていく。そんな中、チームはベトナムへの派遣が決まり、それぞれの思いを胸に新しい地を訪れるがー。理不尽な火災事件で親しい人を失い、亡霊のように生きていた男女の転機と再生を描く。
かつての恋人たちを夢中にさせた八重歯の持ち主ジェファ。エンタメ作家の彼女は、執筆中の短編集の中で元カレのヨンギを殺した。しかも九回も。すると作品を発表するたびに、ヨンギの体にはジェファの文章がタトゥーのように浮き出るという不思議な現象が!そんな時、ジェファの背後にストーカーの影が忍び寄り…。
『キム・ジヨン』の多大な反響と毀誉褒貶、著者自身の体験を一部素材にしたような衝撃の短編「誤記」ほか、10代の初恋、子育て世代の悩み、80歳前後の姉妹の老境まで、全世代を応援する短編集。
やさしい心を持つハナは、つき合って11年になるキョンミンに振り回されてばかり。この夏休みだってハナを置いて、流星群を見にカナダへひとりで出かけてしまう。そしてカナダで隕石落下事故が起こり音信不通に。心配をよそに無事帰国したキョンミンだが、どうも様子がおかしい。いつもとは違ってハナを思いやり、言葉づかいだってやさしい。嫌いだったナスも食べている。ついには…口から青いビームを出しはじめて…。
職場でのあらゆるハラスメントに疲れきり、常日頃、屋上から身を投げたいという衝動に駆られる“私”。拠り所は三人の女の先輩だけ。ある日、先輩たちから渡されたのは、古くから受け継がれてきた絶望から抜け出すための「呪文書」だったが…(「屋上で会いましょう」)結婚・離婚・ハラスメント・突然死ー現代の女性たちが抱えるさまざまな問題や、社会に広がる不条理を、希望と連帯、やさしさとおかしさを織り交ぜて、色とりどりに描く9作品を収録。韓国文学を代表する人気作家チョン・セラン、初めての短編集。
恋をしたとまでは言えなくても、恋愛っぽいなにかをした女と再会して、お互いが気づいてしまったらどうなるだろう。視線は一方的でなければならず、交換されてはならなかったー。会社での地位を失った男が思い出したのは、16年前のある関係だった。第7回若い作家大賞を受賞した表題作や、若い作家賞受賞作「趙衆均氏の世界」など、今の世代の心の質感を描く9つの物語。