著者 : デ-ル・ブラウン
世界でもっとも恐れられているテロリスト、アンリ・カゾー。元ベルギー陸軍特殊部隊員の彼は、若い頃、米兵から性的虐待を受けたため、病的なまでにアメリカを憎んでいた。カリフォルニアで武器取り引きの最中、連邦捜査官の急襲を受けたカゾーの一味は、輸送機L-600で逃亡をはかった。州兵航空隊のF-16戦闘機が急追するが、カゾーらはサンフランシスコ国際空港の上空で、輸送機に積まれていた爆発物を投下して逃亡に成功、空港は火の海と化し、数百の死傷者が出た。これをきっかけにアメリカの防空態勢の不備に目を付けたカゾーは、今こそアメリカへの復讐を果たす絶好の機会と判断し、続けざまに第二、第三の空港襲撃を実行、相次ぐ大惨事の恐怖に全米はパニックに陥る。これに対し、大統領の意を受けた元沿岸警備隊管区司令官ハードキャッスルは防空態勢の再整備に乗り出した。だが、そのころカゾーは、湾岸戦争でもすさまじい威力を発揮し、核兵器を除けば最も恐ろしいと見なされている航空攻撃兵器、燃料気化爆弾を入手し、究極の目標、ホワイトハウスへの攻撃準備を着々と進めていた…。
アメリカ空軍のハイテク爆撃機オールド・ドッグは、シベリアの凍土に一人の搭乗員を失った。航法士デイヴィッド・ルーガー。仲間を救うために自分の命を投げ出したルーガーは、その後何年も死んだものと思われていた。ところが、彼は生きていた。重傷を負ってKGBに捕えられ、洗脳されて別の人格に変えられていたのだ。ソ連崩壊後、アメリカ側はリトアニアにある旧ソ連の科学研究所で、ルーガーが自分をロシア人と思いこんでステルス爆撃機の開発に取り組んでいることを知る。オールド・ドッグの元搭乗員をはじめとするチームがルーガー-暗号名レッドテイル・ホーク-救出作戦のために結集した。折りしも、リトアニアでは研究所を支配する元KGBの将軍と、野心家のベラルーシ軍の将軍が結託して、リトアニア強奪にかかっていた。銃火のさなかに決行された救出作戦の行方は。ハイテク航空冒険小説の傑作『オールド・ドッグ出撃せよ』の待望の続篇。
エリツィンに代わりタカ派の大統領が就任したロシアは、ドニェストル地域の独立をめぐってモルドヴァとの対立が深まり、それに関連してウクライナとも緊張状態が続いていた。そして1995年初頭、領空侵犯したロシアの爆撃機隊をウクライナの戦闘機隊が撃墜する事態が発生した。ロシアは核ミサイルを発射し、ウクライナの軍事施設を破壊した。壊滅的な打撃を受けたウクライナは、臨時政府をトルコに移し、ロシアに対して宣戦布告をする。アメリカの対応は微妙だった。むやみに軍事介入し、ロシアとの核戦争を誘発してはならない。しかも大統領は、兵力削減を推進していた。かくて、数隻のフリゲートと、予備役の一個RF-111G偵察機部隊がトルコに派遣されるが湾岸戦争でいわくつきの極秘任務に携わった経歴をもつメイス中佐、アメリカ初の女性戦闘機パイロットのファーネス少佐らが、ウクライナ空軍の若き英雄トゥイチーナ大佐と共に、不利な状況下で戦闘を繰りひろげる。そして、ロシアの強硬な姿勢に、アメリカ大統領が最後に下した決断とは…。リアルな筆致で描く衝撃のシミュレーション小説。
麻薬密輸の取り締まりに命をかけるハードキャッスルとゲファー、ハマーヘッズの司令官となったエリオット将軍と副司令官マクラナハンたちが繰り広げる死闘。そして、大空に展開する迫力溢れる航空戦。全米でベストセラーとなった超大作軍事スリラー。
ネヴァダ州中南部にあるアメリカ空軍の極秘兵器研究所、ドリームランド。ここで、マクラナハン中佐を責任者として、科学技術の粋を結集した最新鋭機の開発が行なわれていた。その名は、XF-34Aドリームスター。コンピュータとパイロットの頭脳が一体化して飛ぶ、高機動性能を備えた夢の戦闘機である。ドリームスターには、傑出した飛行技術をもつ専属のテスト・パイロットがいた。だが彼は、KGBが送り込んだ長期潜入工作員マラクロフ大佐で、アメリカの軍事機密を本国に送り続けていたのだ。任務実行の機会をうかがっていたマラクロフ大佐は、警備の隙をついてドリームスターに乗り込み、母国に向けて飛び立った。強固な防空網を突破して進むドリームスター。ドリームスターの奪回に執念を燃やすマクラナハン中佐は、パイロットのパウエル大尉と共にチーターに乗り、追撃を開始した。炎の男マクラナハン中佐、その恋人ウェンディ、ドリームランドの司令官エリオット将軍など、『オールド・ドッグ出撃せよ』の登場人物がふたたび活躍。大空を舞台に、最新鋭戦闘機同士の壮絶な空中戦を描く航空冒険小説の最高傑作。
ソ連、イランに侵攻す!イランを支配下に置いてイラクとの共同国家を作り、ペルシャ湾を手中に収めんとする恐るべき“フェザー作戦”。ソ連軍は電撃的な攻撃により、イラン、ペルシャ湾のアメリカ軍を圧倒、作戦は成就するかに思えた。だが、その時、アメリカ側は奇跡的な反撃を開始した。反撃の砦となったのは、〈シルヴァー・タワー〉の意名を持つ〈アームストロング〉宇宙ステーション。その高性能レーダーをもってすれば、ソ連軍の動きは即座に探知でき、攻撃を封じることができるのだ。劣勢に立たされたソ連軍は、ただちに〈シルヴァー・タワー〉の破壊に乗り出すが…。中東の命運をめぐり、米ソの陸海空の大規模な現代戦と宇宙戦が始まった。『オールド・ドッグ出撃せよ』で鮮烈なデビューを飾った大型新人が放つ、待望の軍事スリラー第二弾。
カムチャツカ半島北方のカバツニャに、ソ連のレーザー基地が設置された。その怖るべき威力により、アメリカの偵察機RC-135と偵察衛星、さらに新型大陸間弾道ミサイルが一瞬のうちに消滅した。脅威を感じたアメリカは国連安全保障理事会を召集、ソ連の行為を非難してレーザー基地の封鎖を図る。だが、その試みは失敗した。そんな折り、ネバダ州の空軍基地から飛び立った一機の爆撃機があった。B-52“オールド・ドッグ”-B-52Hを全面改装して最新電子機器と強力なミサイルを搭載、レーダー波を吸収する金属で覆ったステルス爆撃機である。卓越した技術と不屈の魂を持つレーダー航法士のマクラナハン大尉、その相棒の航法士ルーガー中尉、重傷を負いつつも操縦輪を握り続けるエリオット将軍、副操縦士のオーマック中佐、そして二人の女性、電子戦オペレーターのウェンディと銃手のアンジェリーナ。彼ら六名の搭乗員が、死力を尽くして息づまる航空戦を展開する。元航法士が最新情報を駆使して描く軍事スリラーの超話題作。