著者 : トマス・チャステイン
アカデミー賞授賞式も、いよいよ感動のフィナーレを迎えていた。主要部門を独占した映画「ジ・アミュレット」の面々が、壇上で喝采を浴びている。その一瞬、オスカーを獲得した大物プロデューサーが刺殺された。テレビ中継されている前で…。ハリウッドに渦巻く彼の噂の数々。ロス市警の執拗な捜査が難航する中、ハリウッドを熟知した往年の名女優ハルシーが登場。名推理が冴える。
クリスマスを控えてにぎわうマンハッタンに爆破事件が続発した。政治テロか?狂気の無差別殺人か?警察の必死の捜査を嘲笑うかのように犯人は爆破予告を送りつけ、次々と実行に移してゆく。街は恐怖に怯え、マスコミは〈クリスマス爆破魔〉と呼んで騒ぎ立てた。遅々として進まぬ捜査に、責任者のカウフマン警視はしだいに苦しい立場に追いこまれて行くが…。息もつかせぬスリルが横溢する大型警察小説シリーズ第二弾。
実業家エードリアンは、突然、衆人環視のレストランで連れの男を撃ち殺すと、車で逃走した。ところがその直後、こんどは当人が自宅の書斎で射殺体となって発見されたのである。現場にはなぜか、別居中の妻ローレルが居合わせていた。「たぶんわたしは夫殺しで起訴されると思いますの」若く美しい未亡人ローレルから弁護を依頼されたペリイ・メイスンは、この奇妙な二重殺人の謎を解く鍵がエードリアンの私生活にあると睨んだ。彼はギャングと交遊があり、さらに汚職事件で告発されそうになっていたのだ。しかし、ローレルにも強力な動機があった。離婚を間近に控え、エードリアンはローレルを遺産相続人のリストから外そうとしていたというのだ。真相がつかめぬままメイスンは予備審問にのぞむが、そのとき新たな事件が…。無実の罪をはらし、真犯人を暴きだす弁護士ペリイ・メイスンが15年ぶりに新シリーズで復活した超話題作。
ニューヨークはまるで妖怪のような都市だ。ここでは何が起きても不思議ではない。1日平均4人強の人間が殺害されているのだ…私立探偵のスパナーが、無残な肉塊と化した女性の身元不明死体を発見したのは、じめじめとした6月初旬の夜だった。死体はただちに検視官事務所へと送られたが、途中、輸送車が何者かに襲われ強奪されてしまった。おりしも持ち込まれた失踪人捜しの依頼。失踪した娘は、身元不明の死体の主なのか?大都会に生きる人間たちが織りなす愛憎のドラマを鋭い視点で描く傑作ハードボイルド。カウフマン警視シリーズ番外編。
ニューヨークのどこかで、ある日、大がかりな犯罪が起こるー16分署署長カウフマン警視が逃亡犯から得た情報はそれだけだった。どこまで信用できるかわからないが、警察としては見過ごすわけにはいかない。非常事態に備え緊急動員作戦〈パンドラの匣〉が立てられた。だが厳重な警戒にもかかわらずメトロポリタン美術館が何者かの襲撃をうけ、高価な名画5点が奪われてしまった!カウフマンはただちにニューヨーク全市に作戦を発令、総力を挙げて未會有の捜査網をしいたが…。壮大なスケールで描くエキサイティングな警察小説シリーズ第1弾。