著者 : トレイシー・ウルフ
子どもができない親友夫婦のために、サラは代理母を引きうけた。ところがサラの妊娠中に親友が事故で亡くなると、その夫リースは我が子が生まれても高額の小切手を送るだけで会いに来なかった。お金があれば解決するとでも?彼の養育費なんていらないわ!しかしいくら必死に働いても、赤ん坊をかかえるサラの生活は苦しかった。そんなある日、リースが姿を現し、今後は一緒に暮らそうと申し出る。彼はサラを甘やかすようにすぐさま人を雇い、つらい日々を一変させた。ほっとすると同時に、彼女は不思議なときめきを覚えた。いいえ、リースは亡くなった親友の夫なのに、惹かれてどうするの?どんなに恋い焦がれても、いつか彼は娘を連れ去ってしまうのに…。今作のヒロインは、なんと友情と許されぬ恋の板挟みに。赤ん坊のために同居生活を続けるうち、ふたりは急速にお互いを意識するようになり、ついには一線を越えて…。
パーティ会場で、シャンパンのグラスを手に近づいてくる長身の男性からデジは目が離せなかった。なんてゴージャスな人なのかしら。たくましく広い肩、魅力的な笑みをたたえたセクシーな口もと。危険な光を放つエメラルド色の瞳に見つめられ、心臓が激しく打ちだす。ニックと名乗った彼にダンスに誘われ、気づくとデジは唇を奪われていた。そして抗い難い衝動に突き動かされるまま、ニックと一夜を共にするが、情熱のあまりの激しさに怖くなり、翌朝早く彼の屋敷を逃げ出した。もう二度とニックとは会わず、思い出だけを胸に生きていくつもりで。やがて妊娠に気づいたデジは彼が億万長者のニック・デュランドだと知る。彼に知られてはならない。あの夜、赤ちゃんを授かったことは…。
アイサは、ある日仕事場に現れた人物を見て凍りついた。マーク!いったいなぜここに?6年前、アイサは世界的なジュエリー企業でCEOを務める彼と恋に落ちた。しかし、父が彼の会社の宝石を盗み、幸せな時間は突然終わりを告げた。マークに無惨に捨てられ、アイサは街を去ることを余儀なくされたのだ。今になって再会するなんてー消せない想いに、彼女は必死で背を向ける。だが、マークは容赦しなかった。逃がさぬとばかりに家まで追ってくると、“ずっときみを捜していた”とささやき、熱く力強くアイサを奪う。どうして私を求めるの…軽蔑しているはずでしょう?しかし、直後に突きつけられた冷酷な要求に、彼女の心は打ち砕かれた。