著者 : ドロシー・L・セイヤーズ
ストロング・ポイズンストロング・ポイズン
アガサ・クリスティらと、1920〜30年代の“探偵小説の黄金期”を牽引した女性作家ドロシー・L・セイヤーズー探偵らしさと男らしさの狭間で存在の不安に揺れ動く男性探偵の危うさに焦点を当てた、“ピーター・ウィムジィ卿”シリーズの重要な転換期となる奇妙な探偵小説。
ピーター卿の事件簿ピーター卿の事件簿
クリスティと並び称されるミステリの女王セイヤーズが創造したピーター・ウィムジイ卿は、従僕を連れた優雅な青年貴族として世に出たのち、作家ハリエット・ヴェインとの大恋愛を経て人間的に大きく成長、古今の名探偵の中でも屈指の魅力的な人物となった。本書はその貴族探偵の活躍する中短編から「不和の種、小さな村のメロドラマ」等、代表的な秀作7編を選んだ作品集である。
毒を食らわば毒を食らわば
裁判官による説示。被告人ハリエット・ヴェインは恋人の態度に激昂、袂を分かった。最後の会見も不調に終わったが、直後、恋人が激しい嘔吐に見舞われ、帰らぬ人となる。医師の見立ては急性胃炎。だが解剖の結果、遺体からは砒素が検出された。被告人は偽名で砒素を購入しており、動機と機会の両面から起訴されるに至る…。ピーター卿が圧倒的な不利を覆さんと立ち上がる第五弾。
雲なす証言雲なす証言
ピーター・ウィムジイ卿の兄ジェラルドが殺人容疑で逮捕された。しかも、被害者は妹メアリの婚約者だという。お家の大事にピーター卿は悲劇の舞台へと駆けつけたが、待っていたのは、家族の証言すら信じることができない雲を掴むような事件の状況だった…!兄の無実を証明すべく東奔西走するピーター卿の名推理と、思いがけない冒険の数々。活気に満ちた物語が展開する第二長編。
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