著者 : ハイディ・ベッツ
ホテルの客室を清掃するメイドとして働くジェシカは、ある日、担当するスイートルームの宿泊客が誰かを知り、凍りついた。父の会社を奪った億万長者、アレックス・バホーラン!屈辱をこらえ清掃を始めると、急に戻ってきた彼と鉢合わせしてしまった。いたたまれず慌てて作業を終え、ジェシカが部屋を出ようとした瞬間、思いがけず声をかけられた。「今夜、ぼくと食事をしないか?」まさか私の正体に気づいたの?彼の無慈悲な仕打ちを忘れてはだめ。だけど、彼の端整な顔とアイスブルーの瞳は、なんて美しいの…。1年後、アレックスはオフィスの会議室で捨て子の赤ん坊を見つけ、驚く。添えられた置き手紙の差出人は、“ジェシカ”-
大富豪マークと結婚したバネッサは、義母の心ない仕打ちに耐えきれず家を出た直後、思いがけない妊娠に気づく。だが、電話をかけても夫が出ることはなかった。“二度と話したくない”-それが夫からの伝言だった。バネッサは絶望し、逃げるように田舎町へ移り住んだ。1年後、赤ん坊と二人でひっそりと暮らす彼女の小さな店先に黒いメルセデスが停まった。現れたのは…夫のマーク!どうしよう。息子の存在を知られたら、きっと取り上げられてしまう。慌てて赤ん坊を隠そうとした彼女を、夫の怒りに燃える瞳がとらえた。「いったい、どういうことなんだ?」
高額な母の医療費を払うため、シャノンは代理母になる決心をした。子供を望んでいるのは、理想の結婚相手だと誉れ高い独身の大富豪、バーク・エリソン・ビショップだ。恵まれない幼少期を過ごしたせいで、愛も女性も信じられない彼は、面接で採用した女性に、自分の子を産んでほしいのだという。めでたく合格し、人工授精で身ごもったシャノンだったが、やがて体だけでなく心の変化に気づいて呆然とした。なにくれとなく気遣ってくれるバークに、いつしか惹かれていたのだ。彼が欲しいのは妻ではなく、おなかの子だけだと知りながら。