著者 : バーバラ・カートランド
世界中の女性に愛される女流作家の生涯。94歳をすぎてなお現役作家として活躍し、総刊行点数が600冊を越え、ダイアナ妃の義祖母で、イギリス王室にも親しい世界的な女流作家による自伝的回想。
両親の死後、准男爵の兄ピーターと暮らすヨランダ。ある日、兄が決闘で相手の侯爵を殺してしまった。不利な立場となったふたりは、難を逃れるため、フランスへと向かうが、途中スリにあい一文無しになってしまう。そこでヨランダは一計を案じ、旅行中のイルケストン公爵の召使として雇われる。
父の死後、叔母の邸で暮していたツェリーナは、突然ロシア行きを言い渡される。後見人の叔母には逆らえず、しかたなくロシア行きの船に乗ったツェリーナ。そんなツェリーナになれなれしく近づいてくる男がいた。身の危険を感じたツェリーナは、とっさに同船していたシャルノック卿に助けを求めた。
数年ぶりに、故国ドンブローツカに戻ったイローナ王女。だが、国は内紛によって二分されていた。そんな時、ロシア軍の侵攻開始の報せが入る。速やかに国内の団結を図らねばならない。そこで、イローナに反国王派のセアロス公との縁談がもちあがる。イローナは王女としての決断を迫られる…。
アスコット競馬場にほど近いラングストン荘園に、デルメザは兄ジェラードと住んでいる。競馬大会が近づいたある日、トレヴァーノン伯爵が館を借りたいと頼んできた。ジェラードは引き受けたものの、女性の噂が絶えない伯爵のこと、妹の身を案じ、デルメザに「秘密の隠し部屋」に隠れるよう厳命する。
「スラヴォニア国王と結婚せよ」女王陛下のジオーナへの命令は、あまりに突然だった。会ったこともない52歳の相手との政略結婚。やがて、イギリスを発ったジオーナは、スラヴォニア国内で反乱が起きていることを知る。先頭に立っているのは、前国王の息子で“見えないひと”と呼ばれる男だった。
海難事故で両親を失い、叔父の暴力に怯える毎日を送っていたシタ。インドへの船上、とうとう死を決意したシタは深夜の甲板に立った。そんな彼女の前に現れたひとりの男。ターバンを巻きインド人を装ったその男と話すうち、シタは次第に生きる望みを取り戻していく。
すべてを失い、失意の中で亡くなったロックボーン卿。残されたマリスタら三姉妹は、一家を追いつめたスタンブルック伯爵を憎みながら暮らしていた。そこへ伯爵から膨大な家賃の督促状が届く。途方に暮れたマリスタたちは、屈辱に耐え、かつての自分たちの城に、伯爵を訪ねることを決意する。