著者 : ヒュー・ハウイー
砂丘に囲まれた街、導く者のいない社会は紛争や爆撃など頻発する暴力に晒されるコミュニティー。その街に、一家の主を失い、壊れかかったある家族がいた。母ローズは街の男たちを相手に売春宿を営み、長女ビクトリアは「サンドダイバー」として優れたスキルに恵まれながら盗賊のような男たちと関わり、家に寄りつかない生活をしていた。長男パーマーは父や姉と同じダイバーの道を選びながら怪しげな雇われ仕事に手を出し、まだ18のコナーは見習いダイバーにもなれず、11歳の末弟ロブは才能の片鱗を伺わせるものの、まだまだ頼りない子供だった。父の失踪でばらばらになった家族だが、父の娘を名乗る少女が現れ、街が消滅の危機に直面するなかで、互いの生存のために心を寄せ合い、やがて絆を取り戻していく。自分たちよりも大きなものに立ち向かう現実を受け入れるために……。砂漠化した米国コロラド州を想起させる未来の街を舞台に、砂に閉ざされた共同体の脆さとある家族の痛み、悲しみ、再生と希望を描いたSFファンタジー小説の秀作。
一度出たら生きて帰れないといわれる外界から帰還し、サイロ18の市長となったジュリエット。発見した別のサイロに取り残された人々を救うため、トンネルの掘削を始めるが、市民の反発は強く、司祭は掘削機を悪魔と言い放った。一方サイロ1では、ドナルドがそれぞれのサイロの命運を思い一人苦しんでいた。危機をドナルドの仕業と思い込むジュリエット。そしてトンネルが貫通した時、再びサイロ18に危機が訪れるーー。
サイロ18は、シャットダウンされた。わずかな生存者と逃げ延びたジュリエットだが、大勢の命が失われた。その頃、サイロ1ではドナルドとシャーロットが、世界征服の野望の前に立ちはだかろうとしていたーー。
2049年、下院議員ドナルドは地下壕サイロを設計した。完成を祝う党大会の最中、上空で爆弾が炸裂、人々は地下壕へ逃げ込んだ。2110年、誰もが「以前」の記憶を消された世界で一人の男が覚醒した。
長い眠りから覚醒したドナルドは地下壕を統括するサイロ1の責任者となる。より多くの人を救うため、崩壊し始めたサイロを消滅させるミッション。苦しむドナルドはサイロから足を踏み出す決心をするがーー。
地下144階建てのサイロ。カフェテリアのスクリーンに映る、荒涼とした外の世界。出られるのは、レンズを磨く「清掃」の時のみ。だが、「清掃」に出た者は、生きて戻ってくることはなかった。
世界滅亡後、地下144階建てのサイロ。このサイロには何か途方もない秘密があるーー。機械工から保安官へと任命された直後、陰謀にはめられたジュリエット。扉を開け、外に出た彼女の見たものは!