著者 : ピエール・マッコルラン
映画『霧の波止場』の原作として名高い、ニヒルな傑作長編『夜霧の河岸』。久生十蘭が『金狼』の下敷きにした、パリの幻影の夜をめぐる暗黒小説『真夜中の伝統』。港町の娼家が舞台となる珠玉の推理短編『赤線地区』。3編すべてが初訳。 ピエール・マッコルランは、現代に復活させてしかるべき作家である。--澁澤龍彦 澁澤龍彦をはじめ、アルトー、クノー、ヴィアン、セリーヌ、マルロー、プレヴェール、生田耕作らが熱愛してやまなかった、20世紀フランスの奇妙な作家マッコルラン。幻想味に満ちてユーモアに溢れる傑作小説を集大成した、本邦初の3冊本選集がついに完結なる!! 「夜霧の河岸」 「真夜中の伝統」 「赤線地区」
ロシア革命の不安を背景に現れる美貌の密偵と放浪インテリ乞食集団……奔放過激な幻想や黒いユーモアが爆発する幻視的予言の書『世界を駆けるヴィーナス』。夜と海と砂丘の探偵小説『北の橋の舞踏会』。推理小説の要素を兼ね備えた傑作長編2編に、澁澤龍彦が短編『マドンナの真珠』の藍本とした幽霊船綺譚『薔薇王』を併録。
翻訳文学を求める熱心な編集者に告げておく。ピエール・マッコルランは、現代に復活させてしかるべき作家である。マッコルランを出す勇気と機略のある編集者がいたら、私はそのひとに敬意を表するだろう。--澁澤龍彦 アントナン・アルトー、レイモン・クノー、ボリス・ヴィアンらも熱愛してやまなかったフランスの小説家ピエール・マッコルラン。 奇妙で、ファンタスティックで、ユーモアに溢れるその傑作を集大成した、本邦初の3冊本選集がついに刊行。 第1回配本は、奇妙な笑い病のパンデミックがこの世を滅亡させる、世界終末論的疫病小説『黄色い笑い』。マルセル・シュネデールがマッコルランの最高傑作と絶賛したマンドラゴラ幻想小説『悪意』。長編2編を収録。ともに本邦初訳。