著者 : フィオナ・マクラウド
夢のウラド夢のウラド
死後に同一人物であることが明かされた二人の作家、フィオナ・マクラウドとウィリアム・シャープ。尾崎翠が思慕し三島由紀夫が讃美した、稀有な魂をもつ作家の作品を初めてひとつに集成する。いま百年の時を経て瑞々しく甦るスコットランドの幻想小説集。 ーー 「毎朝こんなふうに世界の美しさに向かって帽子を取ることにしている」 蘇生するケルトの息吹、悲哀と慈愛のロマンス、哲学的な思索の旅……神秘のヴェールに包まれた伝説の作家の知られざる名作幻想小説20篇。 ーー 装画 林由紀子「未生の森の記憶」 装幀 柳川貴代 鳥たちの祝祭 夢のウラド アンガス・オーグの目覚め 暗く名もなき者 聖別された男 島々の聖ブリージ 射手 最後の晩餐 ルーエルの丘 聖なる冒険 風と沈黙と愛 ジプシーのキリスト ホセアの貴婦人 彫像 フレーケン・ベルグリオット 丘の風 涙の誕生と死、そして再生 臆病者 〈澱み〉のマッジ ヴェネツィア舟歌 訳者あとがき
かなしき女王かなしき女王
「かなしき女王」とは、ケルト神話の女戦士スカァアのこと。スカイ島の名の由来となったとされる、この美しく猛々しい女王と英雄クウフリンの恋と戦いの物語こそ、スコティッシュ・ケルトを代表する物語である。輪廻転生を信じる土着信仰ドルイドと古代キリスト教が入り交じった幻想的な短篇12篇に、新たに戯曲「ウスナの家」を収録。いずれも松村みね子の名訳による。
PREV1NEXT