著者 : フィリップ・カー
デイヴ・デラノーは、5年の服役を経てマイアミ刑務所を出る当日、国外追放されたロシア人ゲルギエフから手紙を受け取った。そこに記されていた現金強奪計画を、デイヴは、その弁護士を通じ、マフィアの黒幕ヌーデリに持ちかける。大西洋を横断する豪華ヨット運搬船に乗り込み、資金洗浄すべく極秘で隠し運ばれる麻薬売上金を横取しようというのだ。海洋ピカレスク・ロマンの金字塔。
ロサンゼルス都心部に完成間近の25階建ての「グリッドアイアン」は、エレベーター運行から空調・照明・掃除・警備、尿検査による従業員の健康管理まで、全てをコンピュータで管理するインテリジェント・ビル。だが、その中で技師や警備員の連続変死事件が発生する。しまいには、建築家を始め、建設関係者全員が内部に閉じ込められて…。ビルが人間を襲うパニック・ホラー決定版。
2013年、イギリスでは犯罪者候補リストによる凶悪犯罪防止システム、ロンブローゾ・プログラムが導入されていた。が、極秘のはずの被登録者が何者かに次々と殺害される。しかも、彼らはいずれも後頭部をガス消音銃で撃たれていたー。フェミニストの女性警部ジェイクと多重殺人犯「ウィトゲンシュタイン」がくりひろげる殺人=哲学探究。著者渾身の超弩級サイコ・サスペンス。
1947年、ナチス・ドイツ崩壊後のベルリン。大戦を生き延びたグンターは廃墟と化した街で、細々と探偵稼業を再開していた。そんなある日、ソ連駐留軍の大佐から、殺人で逮捕された男の嫌疑を晴らしてほしいとの依頼を受け、グンターはウィーンに赴いた。彼は事件の核心に迫るにつれ、旧ナチの亡霊が蠢いていることを知った…。「ベルリン三部作」の掉尾を飾るスパイ小説巨編
1938年夏。ナチ党支配下のベルリンは緊迫した空気に包まれていた。私立探偵グンターは富豪の未亡人からゆすり事件を依頼されるが、犯人と目される男は何者かによって消されてしまう。一方、刑事警察首脳の脅しによって、アーリア人少女連続殺人事件の捜査の指揮を執ることになったグンターは、ゆすり事件との奇妙な符合に気付いた…。絶賛を浴びたグンター・シリーズ第2弾。
1936年、ベルリン。オリンピックを間近に控えながらも、ナチ党の独裁に屈し、ユダヤ人への迫害が始まったこの街で、失踪人探しを仕事にするグンターに、鉄鋼王ジクスから調査の依頼が舞い込んだ。ジクスの一人娘とその夫が殺され、高価な首飾りが盗まれたという。グンターはナチ党政府高官だった娘婿の身近を洗い始めるが…。破局の予感に震える街を舞台に描く傑作ハードボイルド。