著者 : フィリップ・ソレルス
ゆるぎなき心ゆるぎなき心
《ゆるぎなき心》とは、1984年10月8日、ヴェネツィアにおいて結成された秘密結社の名。その目的は幸福の追求…流れる音楽はモーツァルト…メンバーは作家Sをふくむ男性2人、女性3人。冬のパリ、春のヴェネツィア、夏のレ島を経て秋のパリへ、Sなる作家の一年がめぐる。Sはメンバーの女性たちと快楽を追求しつつ、ただ瞬間だけの愛を生きた過去の女たちの記録『赤い手帳』を読む。一方で、ダンテ『神曲』映画化のシナリオ執筆をひきうけているSと、アメリカのプロデューサーとその代理人、日本人女性らとの交渉がはじまる…。文学の21世紀を先取りする小説。
女たち女たち
本書は、アメリカ人ジャーナリストと作家Sという、いわばコンピュータとDNAの時代のブヴァールとペキュシェの対話からなる現代のロマネスク小説である。それはソルレス自身の自伝的要素が随所に散りばめられているというだけでなく、作家がそれとともに自らの生を生きているような、いまこれを書きつつある者がその内部にあって現実の日々を送っているような小説的小説、つまり『天国』の作家による「新生」の試みなのである。
遊び人の肖像遊び人の肖像
パリのスキャンダル!アヴァンギャルドの法王ソレルスは、ついにあらゆる壁を突破した。ビッグバンから女の秘密まで、いまや彼の言葉には、ありとあらゆるものを表現する魔力があたえられた。ソレルスの新小説の前には、すべてのポストモダン小説は青ざめ、現代哲学は色を失なう。フランスで話題のベストセラー小説。
PREV1NEXT