著者 : フレデリク・ポール
五十万年前に太陽系を訪れ、なにに使うかもわからない奇妙な物や不思議な建造物を残したまま、いずこかへ消え去った謎の異星人ヒーチー。金星の地下都市スピンドルに住むウォルサーズは、そのヒーチーの残したトンネルに観光客を案内して生計をたてている。めったに来ない大金持ちの観光客をつかまえたウォルサーズの命がけのトンネル・ガイドを描く「金星の商人」ほかの連作を収録する巨匠ポールの人気シリーズ番外篇。
知性ある星々との共生関係こそ、巨大コンピュータ〈計画機械〉の支配から解放された人類の、宇宙進出への足がかりだった。ところが、知性ある星をみずから作ろうとした科学者の実験が失敗。すべてのものを敵視する災厄の星、ローグ・スターが作りだされてしまった。宇宙そのものを破滅に導きかねないローグ・スターを制御するため、人類は知性ある星々に助けを求めるのだが…。〈スター・チャイルド〉三部作ここに完結。
小生物ヒューゾリアンが酸素を供給し、人間が居住できる〈宇宙の珊瑚礁〉。冥王星軌道の外側にその星域は広がっていた。そこは巨大コンピュータ〈計画機械〉の支配から逃れた人々の楽園だ。〈機械〉に忠誠を誓う青年少佐ボイジー・ガンは密命を受け、〈宇宙の珊瑚礁〉に潜入する。〈機械〉への脅威は早急に取り除かなければならない。だが、かれがそこで見たものは、〈機械〉どころか宇宙そのものも揺るがす陰謀だった。
冥王星軌道の外側に広がる、神秘の宙域「宇宙の珊瑚礁」に到達すべく、天才数学者ライランドをチーフとするプロジェクト・チームは、画期的なロケット推進の方法を研究していた。だが、研究は遅々として進まず、チームは解散寸前。そのうえ、ライランドの身辺では原因不明の事故が頻発し、生命まで脅びやかされることに…。飽くなき闘志を焼やして星々をめざす人類の姿を、鮮やかなストーリイ展開で描く新シリーズ開幕。
悲惨な爆発は信じられない人為的ミスで惹き起こされた。だが、その事故がさらに恐ろしいものになることを防ぐために、幾百人もの人間が命を捧げた。献身と勇気、人間愛が、官僚性と無気力にいかに立ち向かい、打ち勝ったか、米国著名SF作家が刻明な取材と極秘に入手した資料をもとに描いた傑作長編小説。
空中を浮遊する風船虫、地上を這いまわるひしゃげ蟹、そして空中を掘り進む穴掘屋ー宇宙生物学者ダニー・デイルハウスは狂喜した。双子座の惑星ジェムには、三種類もの知的生物が存在しているのだ。そのうえジェムは地球型環境の惑星だから、人口増加と資源枯渇に悩む地球にとって、願ってもない植民惑星となる。デイルハウスの調査結果をうけ、食料ブロック、燃料ブロック、人民ブロックにわかれた地球では、ただちに各ブロックごとの探険隊が組織された。他ブロックより先にジェムを獲得するために三つどもえの熾烈な競争が始まったのだ。
西暦2024年。世界人口は80億を越え、全世界は食糧不足と国際緊張にあえいでいた。コンピューターによれば人類滅亡の可能性は90パーセント以上。この危機を乗り越えるには、火星に植民するしかない。そこでアメリカは総力をあげて《マン・プラス》計画に挑んだ。苛酷な火星環境に適応させるため、人間をサイボーグ化しようというのだ。サイボーグ第1号は実験中に死亡し、すべては第2号であるロジャー・トラウェイの双肩にかかっていた。だがそのロジャーにも危険信号が…。ポールがサイボーグをテーマに人間と機械の新たな関係を描く力作SF。ネビュラ賞受賞作。
アメリカSF雑誌界に一時代を築いた人気雑誌〈ギャラクシー〉。本書はその創刊30周年を記念して刊行された、ファン注目の短編集の下巻である。編者はかつて2代目編集長を務めた作家フレデリック・ポール。P・K・ディック、I・アシモフ、L・ニーヴン、J・ディプトリー、R・A・ラファティら一流作家の作品を収録し、それぞの著者による〈ギャラクシー〉誌にまつわる覚書を添えた。
本書はアメリカの人気SF雑誌〈ギャラクシー〉創刊30周年を記念して刊行された、ファン注目の記念碑的短編集の上巻である。編者はかつて2代目編集長を務めた作家フレデリック・ポール、フリッツ・ライバー、ロバート・シェクリー、コードウェナー・スミス、アルジス・バドリスなどの一流作家の作品を発表年代順に収録し、それぞれの著者による〈ギャラクシー〉誌にまつわる覚書を添えた。