著者 : ヘレンハルメ美穂
わたしの職場は、指示通りに仕事をすることを求められる場所。そこで出会ったのは、たった一人で祖国から逃れてきた14歳のザーヘル、17歳のアフメドとハーミドだった。ぼくたち家族いないよ。だれが面会に来てくれる?ぼくたちは、アフガニスタンの息子なんだ。静かな筆致で難民児童の現実と収容施設の新人職員の葛藤を描いた、2021年北欧理事会文学賞(YA&児童書部門)受賞作。
ストックホルムの公園で、身元不明の男の死体が発見された。男の頬は黒ずみ、真夏にもかかわらずダウンジャケットを着ていた。そして奇妙なことに、ズボンのポケットにはミカエルの電話番号が書かれた紙切れが入っていた。法医学者の女性はミカエルに、男は殺された可能性があると告げた。ミカエルは調査を始め、男に大声でわめかれていたという女性評論家から、そのときの様子を聞いた。男は国防大臣について何かまくし立てたという。ミカエルはリスベットに男の資料を送り、調査を移頼する。そのころリスベットは、ストックホルムのマンションを引き払い、彼女の命を狙う双子の妹カミラを追っていた。今世紀最高のミステリ・シリーズ、ついにクライマックスへ!
ロシアにいたカミラはリスベットの命を奪うため、ストックホルムへ赴いた。リスベットはその動きをつかみ、ストックホルムに戻る。ミカエルはリスベットの協力を得て、死体で発見された男の身元を解明することに成功した。さらに彼は、男と国防大臣の周囲で起きた悲劇と奥深い謀略の核心に迫っていく。だが、ミカエルにカミラの黒い影がしのび寄る。彼を利用してリスベットをおびき出そうというのだ。リスベットは即座に行動を起こす。ミカエルを救い、宿敵カミラと決着をつけ、自らの過去に終止符を打つために。果たしてカミラとの闘いの行方は?そして明かされるリスベットの父親ザラチェンコの秘密とは?意想外の展開で描く驚異の6部作、完結篇!
1793年、秋。湖で発見された男の死体は四肢と両眼、舌と歯を奪われ、美しい金髪だけが残っていた。フランス革命から4年。前年に国王グスタフ3世が暗殺されたここスウェーデンにも、その風は吹きつつあった。無意味な戦争、貧困や病にあえぐ民衆の不満と怒りはマグマのように煮えたぎり、王室と警察は反逆や暴動を恐れ疑心暗鬼となっていた。そんな中で見つかった無残な死体。警視庁から依頼を受けた法律家ヴィンゲは、風紀取締官カルデルと共に捜査に乗り出す。重い結核に冒されたヴィンゲの捜査は、時間との闘いでもあったー。野心的北欧ミステリー。革命の風吹く都を描く超弩級の歴史小説!
獄中で男たちが出会った。ひとりは連続銀行強盗犯。ひとりは終身刑の殺人者。共通点はふたつだ。“兄”であること。そして市警のヨン・ブロンクス警部を心の底から憎んでいることー時を経て、檻の中で育まれた復讐計画は史上最大の略奪作戦としてついに始動する。狙われる「存在しないもの」とは何か。そして彼らの“弟”たちもまた、暴力の舞踏へと駆り立てられてしまうのか?傑作『熊と踊れ』につづく第二作、開幕!
ただひたすらに復讐遂行に身を投じていく長兄レオ。練り上げられた奇襲作戦は着々と成功を収め、いよいよ「史上最大の強盗」は最終段階に突入した。そして、レオの協力者の正体を知ったブロンクス警部もまた、警官としての領域の限界へと突き進む。この戦いを終わらせるために…。暴力で繋がれた父と子の、そして流血に縛られた兄と弟の物語は、前人未踏の終着点へ!読む者を圧倒する北欧犯罪サーガ巨篇、ここに完結。
ジョンと名乗るカナダ籍の男がスウェーデンで暴力沙汰を起こして逮捕された。グレーンス警部らの捜査で、ジョンの国籍は偽造されたものだと判明。さらに彼の正体は米国の死刑囚なのではないかという疑惑が浮かぶ。だがその囚人は、数年前に刑務所で命を落としたはずだったーありふれた傷害事件は各国政府を巻き込む大問題へと変貌する。ジョンを待つ運命とは?極限状況から人間の罪と罰に迫る警察小説シリーズ第三作。
リスベットは人工知能研究の世界的権威バルデルの息子の命を救った。だが、そのときに取った行動が違法行為にあたるとされ、2カ月の懲役刑を受けた。彼女は最高の警備を誇る女子刑務所に収容されるが、そこではギャングの一員である囚人ベニートが、美貌の女囚ファリアに暴行を加えていた。見過ごすことのできないリスベットは、囚人はおろか看守までも支配するベニートとの対決を決意する。さらに彼女は、元後見人のバルムグレンとの面会で、“レジストリー”なる機関の存在に気づき、自らの子供時代に大きな秘密が潜んでいることを知った。ミカエルはリスベットから突然、レオ・マンヘイメルという人物の調査を依頼される。この男は何者なのか?そして、刑務所の外では、思いもよらぬ痛ましい殺人事件が起きる!今世紀最高のミステリ・シリーズ、最新刊。
警察は殺人事件の捜査を開始した。釈放され自由の身となったリスベットは、ミカエルの妹アニカの協力を得て、ファリアの恋人が遂げた不審な死の真相を突き止めようとする。一方、レオ・マンヘイメルについて調査を進めていたミカエルは、ある重要な人物を探しあて、“レジストリー”が行なっていた恐るべき研究と、リスベットの子供時代の悲惨な事実を聞き出す。だが、殺人事件の冷酷な犯人が、彼の調査を阻止すべく密かに動きだした。リスベットもまた、危機にさらされる。リスベットにたたきのめされて病院で治療中だったベニートが、恨みを晴らそうと脱走したのだ。ベニートの鋭利な短剣が彼女に迫る!果たしてリスベットはどう立ち向かうのか?そして、“レジストリー”の研究とはいったい何か?リスベットのドラゴン・タトゥーの秘密がついに明かされる衝撃作!
リトアニア人娼婦のリディアは売春斡旋業者から激しい暴行を受け病院へと搬送された。意識を取り戻した彼女はある行動に出る。医師を人質に取り、地階の遺体安置所に立てこもったのだ。同院内で薬物依存患者の殺人事件を捜査していたグレーンス警部は、現場で指揮を執ることになるが…。果たしてリディアの目的は?そして事件の深部に秘められた、あまりにも重い真相とは何か?スウェーデン警察小説シリーズ第二弾。
雑誌『ミレニアム』を発行するミカエルたちの会社は経営危機に陥り、株式の30パーセントを大手メディア企業のセルネル社に売り渡していた。ミカエルにも優れた記事がなく、時代遅れの記者との非難にさらされていた。そんな彼のもとに、ある男から大スクープになるという情報が持ち込まれる。人工知能研究の世界的権威であるバルデル教授が何か大きな問題を抱えているようなので、会ってほしいというのだ。男の話からリスベットが関係していると確信したミカエルは、彼女に連絡を取ろうと試みる。一方、アメリカのNSA(国家安全保障局)は、産業スパイ活動を行なう犯罪組織の関連会社からバルデルが革命的な研究成果を持ち出したため、彼の身に危険が迫っているとの情報を得る。折しも、鉄壁の防御を誇るNSAのネットワークに何者かが侵入した!
NSAのネットワークに侵入したのはリスベットだった。彼女はある目的のため、この犯罪組織を追っていたのだ。犯罪組織のリーダーはサノスと呼ばれていた。一方ミカエルは、セルネル社が『ミレニアム』編集部から彼を追い出そうとしていることを知るが、さらに衝撃の事件が発生する。万全の警備システムを設置し、自閉症の息子と暮らすバルデルの家が襲撃されたのだ。警察の捜査が開始され、リスベットと連絡を取ることに成功していたミカエルも独自に調査に乗り出す。だが、今度はバルデルの息子に魔の手が伸びてきた。全力で息子を護るミカエルとリスベット。やがて一連の事件の背後に、リスベットの知られざる過去が大きく関わっていることが明らかになる。そして、リスベットに犯罪組織の暗殺者たちが、さらにはNSAの追っ手が迫る!
移民局職員が殺された。数日後、現場にいたと疑われる少年の遺体が発見され、彼のうなじに文字が刻まれているのを見て、女性検事ヤナは驚愕する。同じように自分にも「Ker」という文字が刻まれているのだ。少女時代の記憶のないヤナが事件に深くのめりこむにつれ、徐々に浮かび上がる真実。そしてヤナに、自分の過去と対峙する時が迫るのだった…。異色のスウェーデン・ミステリー登場!
女の子は座席で眠っていた。途中駅でホームに降りた母親を置いて列車は出発、終点で確認したときには、女の子は消えていた…。捜査にあたったストックホルム市警の敏腕警部は、少女の母親の別居中の夫に目をつけた。どうやら母親は、夫に暴力をふるわれていたらしい。だが彼の部下フレデリカは違和感を感じていた。世界27か国で刊行、大好評を博したデビュー作シリーズ第一弾。