著者 : ベラ・メイソン
王が選んだ家なきシンデレラ王が選んだ家なきシンデレラ
養護施設で育った王宮図書館司書の私が、王の花嫁に?即位したての国王ヴァシリから直々に指名され、ヘリアは驚いた。ただ遠くから憧れるだけで、話したことすらないのに。平民から王妃が選ばれることは稀で、当然彼女は悩んだが、王妃として不幸な子供たちを一人でも多く救えるならと受諾した。ところが彼は結婚初夜に姿を消し、翌朝戻ると冷たく言い放った。「きみを愛することはないし世継ぎも不要。今後は指一本触れない」ヘリアはあまりに身勝手な夫の宣告に傷つき、身を震わせた。あのすばらしい結婚式の誓いのキスは嘘だったというの?
伯爵に選ばれた醜いあひるの子伯爵に選ばれた醜いあひるの子
エマは家族の中の、いわゆる“醜いあひるの子”だった。姉にも妹にもやさしい父は、彼女にだけつらく当たる。だが、次期伯爵のアレックスが舞踏会で見初めたのはエマだった。美しい姉の目の前で選ばれ、彼女は驚きを抑えられなかった。アレックスから所有する豪勢なアパートメントへ誘われ、二人でめくるめく一夜を過ごす間、エマは夢の中にいる気分だった。翌朝、携帯電話に“何をしているの?”“家に顔を出しなさい”“パパはかんかんよ”と家族からメールがしつこく届くまでは。アレックスとの関係に永遠なんてないのは承知している。でも、私にはつかの間の恋をすることさえ許されないの?
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