著者 : マイクル・コナリー
ジャンル
作家ローレンス・ブロックは頭を悩ませていたーエドワード・ホッパーの絵から紡いだアンソロジー『短編画廊』の第2弾を計画しているのだが、いったい今度は誰の絵をモチーフにすべきか。思い悩んだ末、ブロックはある考えにたどり着く。何もひとりの画家でなくていい。今度は作家たちに、好きに名画を選んでもらおう。かくして、ジェフリー・ディーヴァーはラスコー洞窟壁画を。S.J.ローザンは葛飾北斎を。リー・チャイルドはルノワール、ジョイス・キャロル・オーツはバルテュス…といった具合に、今回も個性豊かなアートから物語が生まれ、新たなる“芸術×文学”の短編集が完成する。名だたる作家17人による文豪ギャラリー第2弾。
ボッシュはロス市警時代の旧知の知人が本部長を務めるロス北郊のサンフェルナンドの市警察に誘われ、無給の嘱託刑事として勤務するようになっていた。一方で取り直した免許により、私立探偵として個人的な仕事を受けていた。ある日、85歳の大富豪ホイットニー・ヴァンスから呼び出され、人捜しを依頼される。
老い先短いことを悟った富豪には学生の頃知り合い妊娠させながらも、親に仲を裂かれたメキシコ人の恋人がいた。その子どもが生きていれば捜してほしいと頼まれたボッシュは調査を引き受ける。一方、同僚刑事と連続婦女暴行事件捜査を進めるなか、同一犯によると思しき暴行未遂事件が起こり、事態が急展開する。
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米国を代表する名画家、エドワード・ホッパー(1882-1967)。作家ローレンス・ブロックは、ホッパーの作品は「絵の中に物語があること、その物語は語られるのを待っていること」を強く示唆していると語り、ホッパーの絵から物語を紡ぐこの短編集を考えついた。彼の呼びかけに集まったのは、スティーヴン・キング、ジェフリー・ディーヴァー、マイクル・コナリー、リー・チャイルド…といった錚々たる顔ぶれ。各々の個性を遺憾なく発揮した華麗なる文豪ギャラリーが、ここに幕を開けたー。2017年アンソニー賞Anthology部門最終候補。2017年MWA賞受賞(L・ブロック作『オートマットの秋』)。
ボッシュはロス市警退職を余儀なくされ、異母弟のリンカーン弁護士ミッキー・ハラーを代理人に立てロス市警への異議申し立ての訴訟をおこなっている。二〇一五年二月に、女性公務員が自宅で強姦の上、撲殺された。被害者の体に残された精液のDNAが合致し逮捕されたのは、ハラーの古くからの顧客だった。
容疑者フォスターは更生した元ギャング。刑事弁護士に協力するのは警察官仲間には裏切り行為と見られることから協力を渋っていたボッシュだが、事件に興味を抱きハラーの陣営に加わった。謎の悪徳警官二人組がことごとく事件調査に介入し妨害をはかり、真相に迫ろうとするボッシュに次々と危機が襲いかかる。
定年延長制度最後の年をロス市警未解決事件班で迎えたボッシュはメキシコ系新米女性刑事ルシア・ソトとコンビを組むことに。ふたりが担当するのは、10年前広場で演奏中に銃撃され、体に残った銃弾による後遺症で亡くなったオルランド・メルセドの事件。体内から取り出した銃弾を手掛かりに捜査が始まった。
生前、車綺子のメルセドを帯同し、治安改善を訴え市長選に勝利。州知事を目指すザイアスは彼の死を利用しようと事件解決をボッシュに強く迫る。一方相棒ソトが7歳で経験した未解決の火災についても捜査を進めると、2つの事件が関連し、衝撃の展開となる。シリーズ25周年記念特別エッセイを巻末収録。
売春婦殺害容疑で逮捕されたポン引き、ラコースから弁護依頼を受けるが、被害者は何度も窮地を救ったことのある、かつての依頼人グロリアだった。彼女が名前を変え、ロスに戻り、娼婦に復帰し、殺されていたとは驚きだった。事件を独自に調査したハラーは勝利を確信し、ラコースの弁護を引き受けることにした。
グロリアは高級ホテルに泊まっている客に呼ばれ、客室に行ったところ応答がなく、空振りに終わって自宅に帰り殺害された。ホテルロビーの監視カメラ映像から尾行していた男の存在がわかる。その正体を突き止めたハラーは、罪責の神々である陪審員の前で、男を訊問し、黒幕が誰かを暴いていくのだったが…。
ロス暴動大混乱の最中に発生し、まともに捜査ができず心に残っていたジャーナリスト殺害事件から20年。すべての事件には解決につながる「ブラックボックス」があるという信念のもと、ロス市警未解決事件班ボッシュは再捜査を開始。市警上層部の政治的圧力による監視をくぐり抜け、単独で事件を追いかける。
ジャーナリスト殺人はボッシュにとって最初の未解決事件でもあった。薬莢を最新鑑識技術で調べると、凶器の銃が他の殺人にも使用されていたことが判明。捜査の末に発見した銃から削り取られたシリアルナンバーを復元すると、湾岸戦争当時の軍との関わりが明らかとなる。事件は急転、不穏な展開を見せ始めた。
ローン未払いを理由に家を差し押さえられたシングルマザーが、大手銀行副社長撲殺の容疑で逮捕された。彼女は仲間を募って銀行の違法性に抗議するデモを繰り返す有名人。高級車リンカーンを事務所代わりに金を稼ぐ、ロスきっての人気弁護士ミッキー・ハラーは社会的注目を集める容疑者の弁護に乗り出す。
わたしはやってない!裁判で無実をひたすら訴える容疑者。検察側、弁護側ともに決定的な証拠を欠き、勝敗は五分と五分。住宅差し押さえ代行に絡む莫大な金をめぐり人間たちの欲も蠢く。裁判妨害、血痕、身長差…。刻々と変わる法廷劇の結末は?名手コナリーの技に脱帽。圧巻のリーガル・サスペンス!!
24年前の少女殺害事件に対して出された有罪判決破棄および差し戻し。DNA鑑定で被害者のワンピースについていた精液が服役囚とは別人のものだとわかったのだ。刑事弁護士ミッキー・ハラーは、ロサンジェルス郡地区検事長の要請で特別検察官として勝算皆無の再審を引き受ける。息詰まる法廷劇が始まった!
深夜、ロスの展望台で発見された男の射殺体。後頭部に二発。怨恨か処刑かー。殺人事件特捜班での初仕事に意気込むボッシュだが、テロリストが関与している可能性が浮上。FBIの捜査介入に阻まれながらも、ボッシュはひたすら犯人を追う。十二時間の緊迫の捜査を描く、スピード感溢れる傑作サスペンス。
ロサンジェルスのエコー・パーク地区で、女性二人のバラバラ死体を車に乗せていた男が逮捕された。容疑者は司法取引を申し出て、死刑免除を条件に過去九件の殺人も自供するという。男の口から語られるおぞましき犯罪。その中に未解決事件班のボッシュが長年追い続ける、若い女性の失踪事件も含まれていた。
ボッシュが探り続ける未解決事件は、ホシとにらむ男とは別人が自供した。初動捜査のミスも浮上し、苦悶するボッシュ。さらにパートナーのライダー刑事に悲劇が襲う。事件が急展開を見せるなか、自宅待機を命じられた彼はFBI捜査官レイチェルとともに動き出すが…。警察小説の頂点に君臨する傑作シリーズ。
高級車の後部座席を事務所代わりにロサンジェルスを駆け巡り、細かく報酬を稼ぐ刑事弁護士ミッキー・ハラー。収入は苦しく誇れる地位もない。そんな彼に暴行容疑で逮捕された資産家の息子から弁護依頼が舞い込んだ。久々の儲け話に意気込むハラーだが…警察小説の名手が挑む迫真のリーガル・サスペンス。