著者 : マーニー・ジョレンビー
こんばんは、太陽の塔こんばんは、太陽の塔
少女時代から陶芸家を目指してきたカティアだったが、師匠であり恋人でもあったライダーと決裂してしまう。夢を諦め、逃げるようにアメリカを離れたカティアの新地は、大阪の北摂。そこでは、師ライダーとそっくりの顔をした「太陽の塔」がそびえたち、あたりを睥睨していた。カティアには秘密の悩みがある。少女時代のある日、ライダーに「伝承」されて以来、自分の手が師匠のものになってしまった。ありえないことだが、腕先に、骨ばった長い指の「ライダーの手」がくっついているのだ…。異国の地で新たな生き方をひとり懸命に模索する、再生の物語。
ばいばい、バッグレディばいばい、バッグレディ
私は自分の名前が大きらい!高校2年生の相川あけびは、果物の名前をつけた非常識な父親に腹をたてていた。でもそれ以上に、自分を捨てて台湾で女優をしている母親にはもっと大きな怒りを抱いていた。いらだちながらも書道の甲子園・国際高校生選抜書展に向かってがんばろうとしていたその時ー父親がとんでもない災難を拾ってきた。汚い袋やバッグをこれでもかと抱えたホームレスの老婆を自宅マンションに連れてきたのだ。言葉づかいがばか丁寧なこの得体の知れない老婆が、父の命の恩人なんだって?言葉巧みに騙されているだけじゃないの!?いらだちが頂点に達しようとしていた時、老婆のいる部屋からふしぎな声が聞こえてきた。それは、いるはずのない子どもがキャッキャッと笑っているような声だった…。生粋のアメリカ人女性が、5年もかけて、初めからすべて日本語で書いた渾身の感動作。
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