著者 : メアリ・バログ
公爵夫人のコンパニオンを務めるクロエ。夫人が孫のベリック伯爵に結婚するよう説得しているところに偶然居合わせ、伯爵が乗り気でないことを知る。彼は戦場での経験から心を閉ざしていて……愛の癒しを描く《サバイバーズ・クラブ》第5弾!
アグネスは田舎のコテージで姉と二人、ひっそりと暮らしている。そんな日常が、親友の結婚祝いの席で、息をのむほど美しいポンソンビー子爵フラヴィアンからダンスを申し込まれてから一変した。 フラヴィアンは英仏戦争に出征した際に負った怪我の後遺症で、記憶と発話に障害がある。会った人のこともよく忘れてしまうのだが、アグネスのことはなぜか印象深く、忘れられなかった。 心をおしかくして生きてきた二人が出会い、互いをかけがえのない存在と思うようになっていくが、アグネスは心に素直にはなれない。それは、彼があまりに世慣れていることと、ときおり皮肉な笑みをうかべるせいでもあった。フラヴィアンはかつて信頼する人に裏切られて以来、厭世的にふるまう癖があったのだ。 ある日、フラヴィアンの古い知人ヴェルマが村を訪ねてきた。実は彼女はフラヴィアンの元婚約者で……
サマンサは家族の事情で長い間家から出ることなく生活をしていた。一大決心をして戸外に出たところで、馬にぶつかられそうになる。馬上の男性は心にも傷を抱えたナポレオン戦争の帰還兵ベネディクト。最悪な出会いをした二人だったが、少しずつ距離が縮まってゆく。そして二人でウェールズへと旅に出ることになるのだが、それは別れを前提とした約束の下の出発で・・・・・・傷ついた人々の救済を描く感動作。
傷ついた心の癒しと再生を描く《サバイバーズ・クラブ》第2巻!戦地で負傷して盲目になったダーリー子爵ヴィンセントを、家族は過保護なまでに気遣うが、同時に早く結婚させようと躍起になっていた。跡継ぎができなければ、爵位も財産もいずれ失うことになるからだ。生き方を指図されることに嫌気がさしたヴィンセントは家出を決意し、従者を一人だけ連れて、田舎にある自分が生まれた家に行く。村の人々はヴィンセントの帰省を歓迎する。 爵位を継いだ大金持ちのヴィンセントに自分の娘を嫁がせようと企むクラレンス夫妻は、悪だくみをするが、クラレンス家の居候で孤児のソフィアがヴィンセントを助けてくれた。しかし夫妻は激怒してソフィアを家から追い出してしまう。 責任を感じたヴィンセントはソフィアに求婚するのだが!?
傷ついた魂の癒しと再生を描く、メアリ・バログの新シリーズ〈サバイバーズ・クラブ〉始動! 初春のある日、トレンサム卿ヒューゴ・イームズはコーンウォールの海岸近くにあるスタンブルック公爵の屋敷で、年に一度の〈サバイバーズ・クラブ〉の集いの時間を楽しんでいた。〈サバイバーズ・クラブ〉はかつてナポレオン戦争をともに戦った元士官たちの集まりで、彼らは深い絆で結ばれていた。 朝食後に海岸へ散歩に出かけたヒューゴは、岩場で転倒して動けずにいた美しい貴婦人グウェンドレンを助ける。彼女は友人宅に滞在していたのだが、怪我が治るまで動かしてはならないという医者の指示により、運び込まれたスタンブルック邸に留まることになった。 軍隊では貴族と平民とのあいだに時として諍いがあったため、新興富裕層だが平民であるヒューゴは、貴族の女性など鼻持ちならないと思い込んでいた。それゆえ、はじめは反発しあっていた二人だったが、共に時間を過ごすうち、どうしようもなく惹かれ合ってゆき……。
男爵未亡人カッサンドラは、元家庭教師たちを引き連れて困窮極まっていた。 家族同然の彼女らを守るためには金持ちの貴族の愛人になるしかない。 意を決して招待状もなしに訪れた舞踏会で、ハクスタブル家長男の伯爵スティーヴンと出逢う。 彼は理想の結婚相手として評判が高く、カッサンドラは彼に近づくことにするが……。
社交界デビューのためロンドンに旅立とうとしていたアンジェリンは、兄の迎えを待つ間、男性に絡まれて困っているところを、一人の紳士に救われる。お礼を言う間もなく立ち去ったその紳士に、彼女は一瞬で恋におちた。数日後、待ちに待った初めての舞踏会で、アンジェリンはダンスの相手を紹介される。なんと、あのときの紳士、伯爵エドワードだった!運命の再会に、喜びで胸をいっぱいにして彼に話しかけるアンジェリン。ところが、礼儀正しく控え目で堅物なエドワードにとって、明るく華やかな彼女は絶対結婚したくないタイプだった。自分とはまるで昼と夜のようにかけ離れていて、惹かれるはずはない女性。そう思いながらもなぜか、アンジェリンのことが頭から離れなくなったエドワードは…。前作『あやまちの恋に出逢って』未収録シーンも公開!
ハクスタブル家シリーズ最新作! 早くに両親を亡くし、必死に家を守ってきたハクスタブル家の長女メグ。 かつて彼女を裏切っていながら、よりを戻そうとする元恋人を遠ざけたいあまり、 咄嗟にメグは、自分には婚約者がいると嘘をついてしまう。 困りはてていた矢先、彼女の前に現れたのは、スキャンダルを起こして 社交界から半ば追放されていたダンカンだった……。
ロンドン社交界きっての放蕩者と噂されるトレシャム公爵ジョスリンは、決闘のさなか、見知らぬ女性が大声をあげたせいで足に怪我を負う。邪魔をしたのはジェーンと名乗る粗末な身なりに女。しかし、その内に秘めた類まれな美しさをひと目で見抜いたジョスリンは、回復するまでの3週間、広大な屋敷のなかで彼女を雇うことにする。深い愛情を湛え、公爵である自分にも率直な意見を言うジェーンは新鮮で小気味よく二人きりで過ごすひそやかな時間は日に日に増えていった。互いに抱える孤独と気高い心にふれて、いつしか自分の心を打ち明けられる唯一の存在となった二人。やがて約束の3週間が近づき、彼女を手離したくないジョスリンはある決断を下す。ところがその直後、ジェーンが彼に告げられなかったひとつの“真実”が、ついに明るみに出てしまい…。
貴族の娘フルールは、恐ろしい過去を抱えひとりロンドンへ逃げてきていた。所持金がなくなった彼女は生きるためにある決断をし、通りすがりの紳士に救われるが、そのことで心に大きな傷を残す。数日後、再び困窮し職業斡旋所を訪ねたフルール。すると幸運にも、リッジウェイ公爵家で家庭教師の職に就くことになった。始めはなつかなかった一家のわがままな少女とも少しずつ打ち解け、数週間が経ったある日、長く屋敷を留守にしていた公爵アダムが帰館する。アダムは、誰にも打ち明けられぬまま背負ってきた苦しみが、愛情豊かなフルールの存在によって癒されていることに気づく。ためらいながら、ひそやかに惹かれあうふたつの孤独な心。しかしフルールは、アダムに怯えていた。そこには、決して知られてはいけない秘密があってー。静かに募る情熱と、涙を呼ぶ感動の結末。美しくもせつない大人の愛の物語。