著者 : モンゴメリ
生まれ育った銀の森屋敷を切り盛りするパット。愛する愛族に囲まれて幸せなはずだったが、兄たち、そして妹までが結婚することになり周囲からは「売れ残り」と陰口をきかれるようになる。この人こそはー。そう何度も思いながらなかなか結婚にたどり着くことができない、そんなパットが最後に手に入れた真実の愛とは?恋愛や結婚そして生き方に迷うすべての女性に贈るモンゴメリの傑作『銀の森のパット』感動の完結編。
木々に彩られた銀の森屋敷と呼ばれる古く美しい家で、愛する家族とばあやのジュディとともに幸せに暮らす少女パット。変化を嫌い、このままの日々が続くことを願うが、時の流れは否応なしに忍び寄り、少しずつその世界を変えていく。大切な友との出会い、家族の出産や結婚そして別離…。プリンス・エドワード島の美しい四季を舞台に、少女の成長と人生における大切な出来事を丹念に描く、モンゴメリの名作。決定版新訳。
裕福ではあるが厳しく威圧的な祖母の屋敷で、母と暮らすジェーン。父に似た自分を祖母が疎んじていることを感じながら孤独な日々を送っていた彼女に、ある日、衝撃のニュースがもたらされる。死んだと思っていた父が生きていると…。戸惑いながら父に会うために訪れたプリンス・エドワード島には、まったく新しい輝ける世界への扉が待っていた。エゴや誤解に打ち克つ究極の愛を描くモンゴメリの人気作を新訳でおくる決定版。
父の仕事の関係で、トロントからプリンス・エドワード島にやってきたベバリーとフェリックスの兄弟。キング農場で個性豊かないとこたちと一緒に暮らすことになった彼らが出会った、すらりと背の高い大人びた少女。虹のような声音でお話を語る不思議な魅力のストーリー・ガールと過ごした多感な10代の日々を、夢のように美しい島の四季と重ね合わせて描く、もうひとつの『赤毛のアン』と呼ばれ愛されるモンゴメリの傑作。
ダーク家とペンハロウ家に伝わる由緒ある水差し。みんな喉から手が出るほど欲しがるこの家宝を相続するのは一体誰?老ベッキーおばがいまわの際に遺した突拍子もない遺言のせいで一族の面々は、かつてない大騒動を繰り広げることに。一族きっての美女ゲイの愛の行方は?長年秘密にされていたジョスリンの別居の真相は?やがて水差しの魔力は一同をとんでもない事件へと導くが…。モンゴメリ円熟期の傑作ロマンス。
内気で陰気な独身女性・ヴァランシー。心臓の持病で余命1年と診断された日から、後悔しない毎日を送ろうと決意するが……周到な伏線と辛口のユーモアに彩られ、夢見る愛の魔法に包まれた究極のロマンス!
マシュウの突然の死により、大学進学をいったん諦め、エヴォンリーの小学校の先生となった16歳のアン。ダイアナと村の改善に奔走したり、マリラが引き取った双子の孤児の面倒を見たり、大忙しの日々。学校では様々な個性の子供たちと出逢い、アン自身も刺激を受け、成長してゆく。空想好きは相変わらずだけれど、現実のアンの周りで本当のロマンスの物語が生まれはじめてー。少女から女性へ。青春の煌めきを描く、第2巻。
レドモンドの学生になったアン。エヴォンリーの名残を惜しみながらも、プリシラや新たな友人フィルと、憧れの白い家で下宿生活を始め、楽しい日々を送る。一方ギルバートは変わらずアンを愛していたが、友情が壊れることを怖れたアンは距離を取ってしまう。そんな中、アンの前に現れた理想の恋人。求婚され、ついにアンにも幸せが訪れたかに見えたが…。作家への第一歩、そして愛に目覚めるアンの姿を描く、感動の第3巻。
「『アン・シャーリー』は生まれ落ちるとまもなく両親を失った孤児。それに、恐ろしいばかり真っ赤な髪の毛で、そばかすだらけの顔に眼ばかりぎょろつかせている、やせっこけのへんな女の子でしたから、幼いアンは、誰からも可愛がってもらえません。貧乏人の家で育てられて、早くから子守などにこき使われ、それから孤児院へやられます。 でもそんな哀れな育ちの中で、少しもゆがめられぬ敢然としたチビの魂を持っています。天使のように純粋で、また小鬼のように鋭くはしこい、宝石の輝きを持つ魂です。暇さえあればロマンティックな光まばゆい空想に陥ちていって、現実の自分の惨めさを忘れていられます。その代わりしばしば夢と現実が一緒になってしまうので、アンのやらかす失敗というのは、また無類のものです。 十一で引き取られた先が、プリンス・エドワード島の『エヴォンリー』という片田舎。年寄った兄妹二人暮らしの『グリーン・ゲイブルズ』(緑の屋根の家)と呼ばれる農家でした。美しい大自然に恵まれた平和な村の生活です。それでも、夢想家の激情的なアンは、そのおだやかな日常生活の中で、次々と『死ぬか生きるかの大騒動』を引き起こしてしまいます。まわりの人々は、アンの突飛な言動に面くらったりはらはらしたり、また憤ったりおなかを抱えて笑ったりさせられます。そうしながら誰も彼もが、アンに激しくひきつけられ、愛さずにいられなくなるのですが、それはまた私たちの気持ちーーこの本を読む者誰もが、みんなアンを愛さずにはいられなくなるでしょう。」(訳者あとがきより) 多くの作家、女性の生き方に影響を与えた不朽の名作を、「文体が美しい!」とかねてより定評のある、中村佐喜子訳で。Netflix (ネットフリックス)のドラマ「アンという名の少女」でも改めて話題を集めた、大ヒット映画『赤毛のアン 初恋』、『赤毛のアン 卒業』(2018年カナダ・アカデミー賞監督賞・演技賞受賞)につながる、すべての物語はここから始まる。 第1章 レイチェル・リンド夫人の驚き 第2章 マシュー・カスバァトの驚き 第3章 マリラ・カスバァトの驚き 第4章 グリーン・ゲイブルズの朝 第5章 アンの生い立ち 第6章 マリラの決心 第7章 アンのお祈り 第8章 アンの養育はじまる 第9章 リンド夫人、恐れをなす 第10章 アンのお詫び 第11章 アンの日曜学校の印象 第12章 おごそかな誓いと約束 第13章 期待と喜び 第14章 アンの告白 ……(中略)…… 第36章 栄光と夢 第37章 死の訪れ 第38章 道の曲がり角