小説むすび | 著者 : ララ・テンプル

著者 : ララ・テンプル

黒伯爵と罪深きワルツを黒伯爵と罪深きワルツを

悪い伯爵のままでいて。 叶わぬ恋に落ちてしまうから。 「君はそうとう変わった小娘だ。自覚はあるのかい?」 伯爵に見つめられ、オリビアは逃げ出したい衝動を懸命にこらえた。 物憂げな黒い瞳と漆黒の髪。危険な魅力にあふれた強烈な存在感。 彼がシンフル・シンクレアーー罪深きシンクレア伯爵と呼ばれるのは、 名字の語呂合わせと黒い噂のせいだけではないらしい。 オリビアは勇気をかき集め、ある私的な調査に行きづまったこと、 その調査で先代伯爵の汚名を晴らせる可能性があることを説明した。 一笑に付されながらも必死に協力を仰ぐオリビアだったが、 ふいに伯爵は身をかがめ、彼女の柔らかな唇に指をすべらせた。 「帰ってくれ。夜の楽しみを台無しにした償いをさせたくなる前に」 おびえて逃げるように帰ったオリビアに、後日伯爵は協力を申し出ます。ともに謎を追ううちに冷酷非情なはずの彼の優しさに触れ、心ならずも強く惹かれていくオリビアでしたが……。人気作家L・テンプルの真骨頂、愛と癒やしのノンストップ・リージェンシー!

壁の花は子爵の許嫁壁の花は子爵の許嫁

わたしだけが知らなかったーー 父と子爵の、都合のいい密約を。 母亡きあと、ネルはずっと父親とおばに疎まれてきた。 寄宿学校から帰省するたびにいじめられ、慰めは、大好きな乗馬だけ。 ある日、ガブリエル・ハンターという子爵が父を訪ねてきた。 レディらしからぬ振る舞いで乗馬の腕を披露したネルは、 案の定、おばにこっぴどく叱られた。子爵の目の前で。 ネルは初めておばに楯突き、家を飛び出すと、寄宿学校に逃げ帰った。 4年後。成人したネルは、父からの手紙で衝撃の事実を知らされる。 なんと彼女は婚約しているというのだーーかの子爵、ハンター卿と。 まだ17歳だったあの日、ハンサムだが暗い影を落とす子爵の瞳に覚えた 胸のざわめきが、ふいにネルの全身によみがえった。 『公爵の小さな妖精』で華やかなデビューを飾ったララ・テンプル。次にお届けするのは、内気な令嬢と心に傷を持つ年上子爵の、強引な婚約劇から始まるドラマティックなロマンス。『みにくいアヒルの子』や『あしながおじさん』を彷彿とさせる、名作の予感です。

公爵の小さな妖精公爵の小さな妖精

“非常手段でいっきに解決”-- それが公爵からのプロポーズだった。 「デューク! 待て!」ソフィーは逃げ出した犬に鋭く命じた。 すると歩道を歩いていた男性が突然立ち止まり、 大おばの愛犬デュークは磨き上げられたブーツに激突した。 「止めてくださって助かりました。この子が行方不明になったら、 大おば様のお世話係を首になり、田舎に送り返されるところでしたわ」 彫像のように美しくたくましい男性と言葉を交わすうち、 彼の物憂げで苛立たしげな様子に気づいたソフィーは頬を赤らめ、 しゃべりすぎたことを悔やみながら逃げるように立ち去った。 このハンサムで陰のある紳士がデュークーー公爵の称号を持つ大貴族で、 ほどなく彼と愛なき婚約をすることになるとは夢にも思わずに。 人目のある道端でトラブルに巻き込まれたソフィーを助けるため、とっさに彼女との婚約を公言した公爵。嘘から始まる身分違いの婚約劇の、思いがけない結末とは……。心を閉ざした公爵と、愛を夢見る健気な乙女のドラマチックなシンデレラ・リージェンシーです。

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