著者 : ルーシー・ゴードン
ダルシーは仕事のため、ロンドンからヴェネツィアへ飛んだ。ゴンドラの船頭をしているフェデリコという男について、調べてほしいと依頼されたのだ。ダルシーはさっそく旅行客を装い、彼のゴンドラに乗り込んだ。予想に反して、フェデリコはとても魅力的な男性だった。太陽のように輝く笑顔と高貴な佇まいに、ダルシーはすぐさま心を奪われてしまった。なんてすてきな人なのかしら…。ダルシーは知る由もなかった。このハンサムな船頭の正体を。彼はある理由で友人のフェデリコに成りすましている、イタリア名門伯爵家の後継ぎ、グイード・カルヴァーニだった。
ジュリーは仕事の依頼を受け、ローマの地に降り立った。ここは8年前、想いを残したまま別れた恋人リコ・フォルツァの故郷。あの、めくるめくような幸せな日々を忘れたことはない。彼との唯一の絆であるかわいい息子、ゲイリーがいるから。貧しかったジュリーは、大富豪であるリコの祖父に脅され、別れの手紙だけを置いて彼の前から姿を消したのだった。その祖父亡き今、愛しいリコと再会することもあるかもしれない…はかない望みはしかし、予想だにしないかたちで叶えられた。ジュリーを雇ったのは、ほかならぬリコ本人だったのだ!彼はまるで別人のように、憎しみを込めてジュリーを見つめ…。
イタリア人の恋人にプロポーズされ、ドナは幸せだった。トニは子供っぽくて少し頼りないが、私を愛してくれている。孤児だったドナの憧れー家族を持つ夢がもうすぐかなう…。ところが彼の実家を訪れると、冷たい歓迎がドナを待っていた。傲慢そうなトニの兄リナルドが、手切れ金を提示してきたのだ。家業を継ぐ彼には、ドナが裕福な一族を狙う女に見えるらしい。憤って拒否したが、リナルドが次に放った言葉にドナは驚愕した。「トニはいつか君を忘れるが、僕たちはお互いを忘れられない」なんという人!結婚を阻止するために、私を誘惑する気なの?
真夏の太陽に誘われ、3つの熱き愛が生まれた。人気作家が贈る、3大ラテン系ヒーローの熱愛名作選集!大学を卒業したフェーベはペトロニデス家の長男との婚約を解消する決意を胸に、ギリシアへ帰国した。そもそも婚約は家族が決めたもので、本当は幼い頃からずっと、次男スピロスを愛していたから。だが、そんなフェーベの想いは黒い運命に翻弄されることにー父の会社が傾き、婚約者の援助がなければ倒産する事態に陥ってしまったのだ!(『憂鬱なフィアンセ』)。ジャスティーンは友人の結婚式でベネチアを訪れ、魅力的なイタリア人男性のウインクに悩殺される。翌日、不注意で運河に落ちそうになった彼女を救ったのは、思いもかけない人物ー昨日から脳裏を離れないウインクの男性リカルドだった。偶然にも、彼が友人の知り合いだったことに運命を感じながらも、愛に臆病なジャスティーンは…(『愛はベネチアで』)。生き別れた母を捜すため、そして政略結婚から逃れるためにスペインへ来たレイチェル。所持金が底を尽き困り果てた彼女は、住み込みの臨時秘書の仕事を見つけた。豪華な城に住む雇い主ルイスは荘園領主のように傲慢な実業家。威圧的な態度に辟易する一方、謎めいた陰に惹かれた彼女は、やがて知るべきでなかった彼の秘密を知ってしまう(『それぞれの秘密』)。