著者 : レッド・ガルニエ
ケイトは兄代わりの大富豪ギャレットにずっと想いを寄せてきた。でも、数多の女性と浮き名を流す彼をそばで見るのも、もう限界だった。一方、ギャレットはケイトを守ることこそ我が使命としてきた。彼が10歳のとき、ボディガードだった彼女の父親が彼の身代わりとなって銃弾に倒れ、“娘を頼む”と言い残して死んだのだ。だがある夜、ケイトが高熱を出したギャレットを見舞うと、朦朧とした彼に押し倒され、情熱が堰を切ったようにあふれ…。夢のまた夢と思っていた瞬間を迎え、幸せをかみしめるケイトの心に、彼が不意に放った言葉が突き刺さるー別の女性との結婚話がある、と。ショックのあまりギャレットの家を飛び出した数週間後、彼の子を宿しているとわかり、ケイトは途方に暮れた。
23歳のモリーはまだ男性経験がないが、2週間前の仮面パーティで夢のようなキスをしてくれた男性こそ、運命の人と確信した。顔はわからないながらも、相手の指輪から、彼が誰かは見当がついた。そこでモリーは、相手の弟であるジュリアンを訪ねる。ジュリアンとは兄妹も同然に育ったので気恥ずかしいけれど、意を決して恋の相談をすると、彼は思いがけない提案をした。1カ月間、ジュリアンとモリーが恋人同士のふりをすれば、兄の嫉妬心をかき立て、振り向かせることができるというのだ。だがモリーは知る由もなかったー目の前のジュリアンこそ、あの夜、魅惑のキスで彼女の心を奪った“運命の人”とは!
ベスは暴力で支配しようとする夫とようやく離婚したものの、貧しさゆえに親権はなく、愛しい息子を奪われ悲嘆に暮れていた。ふとベスの脳裏に大富豪ランドンの姿が浮かんだ。彼女の前夫のせいで妻子を亡くしたランドンなら、この苦しみに共感し、手を差し伸べてくれるはず。ほどなくしてベスはランドンと1年限りの結婚契約を交わし、夫婦となって、息子を無事に取り戻す計画を進めた。だが、思わぬ誤算が生じる。ランドンの男らしさと献身ぶりにベスは激しく惹かれ、ついにベッドを共にしてしまったのだ。どうすればいいの?かりそめの夫を愛してしまうなんて…。
苦境に追いつめられたCEO秘書のバージニアは今夜、ボスのマルコスのペントハウスを訪れていた。優秀な経営者だった父が妻に先立たれて身を持ち崩したため、バージニアはその借金を肩代わりしようと、密かに慕っているボスに、恥を忍んで給金の前借りと支援を願い出た。するとマルコスは見返りとして、1週間恋人役を演じるように求めてきた。復縁をもくろむ身勝手な元恋人に見せつけるために。わたしは小道具にすぎない。なのにそれでも、胸がきゅんとしてしまう。演技のキスが、やがて情熱に火をつけ…。でも、これは見せかけ…。しかし気づけば、バージニアはマルコスの子を、身ごもっていたー