著者 : ロバート・ゴダード
亡父ヘンリーは、なぜ危ない橋を渡り情報を売ろうとしたのか。そして、自らの生誕をめぐる隠された真実とは。その答えを求めて、マックスはチームを組織して日本へと乗り込む。ドイツのスパイ網指揮者は日本の悪名高き大物政治家と手を組み、その行く手を阻むー大正期の東京、横浜を舞台に描く諜報戦!
一九一九年春、第一次大戦後のパリではじまった愛と憎しみの国際諜報戦は、スコットランド、ロンドン、マルセイユを経て、夏の日本へ。英・米・独・露のスパイに運命を翻弄されたマックスは、東京で亡父の真意を知り、謎に包まれた京都の古城に潜入、囚われ人を救出しようと試みる。三部作、感動の完結篇。
父ヘンリーの秘密を握るドイツのスパイ網指揮者レンマー。彼を陥れるべく敢えてドイツのスパイとなったマックスはスコットランド最北に抑留中のドイツ軍艦から極秘ファイルの回収を命じられる。レンマー打倒の材料となるファイルを携えマックスはロンドンをめざす。スリルと疾走感溢れる極上スパイミステリ!
極秘ファイルの解読を試みるマックスらに立ちはだかる意外な刺客。レンマーのスパイ網は身内にも張り巡らされていた。一方、日本代表団の新たな代表となった戸村伯爵とその息子が、マックスらの行く手を阻む。密約、裏工作、祖国に対する背信ーゴダードが紡ぐ壮大なスケールの国際諜報戦、いよいよ佳境へ!
退職目前、古参社員ケラウェイが命じられたのは社史編纂のための記録探し。買収合併を繰り返して世界的大企業にのしあがった会社の記録の一部が紛失していたのだ。ケラウェイは四〇年あまり前の記憶からたどり始める。それは今も彼の心に重くのしかかる、一人の少年の死の真相をつきとめる旅でもあった。
一八歳の夏、地元企業でアルバイトをするケラウェイは創業家の姉弟と出会う。多くの謎を残して死んだ弟、美しい姉との運命の恋。その後も一族で不審な死が重なり、企業は拡大していく。裏切り者は誰なのか?結末まで全貌が見えない洗練のプロット、含蓄がちりばめられたセリフ。ミステリ読みのための快作。
かつて高額な報酬に惹かれ、セルビア民兵組織リーダーの生体肝移植を成功させたことがある高名な外科医ハモンドの前に、リーダーの娘が現れた。大量虐殺を繰り返し、戦争犯罪人として逮捕された父親の財産の隠し場所を知る組織の元会計係を探してほしいという。半ば脅迫されたハモンドはハーグへ向かう。MWA賞受賞後第1作。バルカンを舞台に繰り広げられる、秀逸ノンストップ・スリラー。
リーダーの元情婦、民兵組織の元側近、捜査官。会計係を探しているのは、ハモンドだけではなかった。何人もの復讐心といくつもの強欲がからみあい、行く先々で死が累々と積み上げられていく。隠し財産はどこにあるのか。戦争の爪痕生々しく、動乱が続く地帯で正義は貫きとおせるのか。ノンストップ・スリラー。
競売にかけられた伝来の指輪を落札するよう頼まれ、英国コーンウォールへ赴いたハーディング。その地で謎めいた美女ヘイリーに出会った瞬間、彼は不思議な感覚にとらわれた。いつか確かに見た顔だが、どこで会ったか思い出せない。そして目的の指輪には18世紀の惨劇に関する複雑な来歴が隠されていた…。
何者かに競売会場から奪われた指輪。ある事件とともに姿を消したヘイリーと彼女の意外な素性。次々と悲劇に見舞われる関係者。幾多の謎に巻き込まれながら事件の真相を求めるハーディングは、14世紀の伝説へと辿りつく…。史実を背景に名手ゴダードが精緻に築き上げた、スケール感溢れる傑作ミステリー。
1931年、豪華客船「女王陛下号」に乗りこんだ詐欺師コンビ、ガイとマックスの目にとまった絶世の美女ダイアナ。父親は有名な投資家、まさに絶好のカモだった。恋する男を装って罠を仕掛けるマックス。だが大いなる誤算、ふたりは本当の恋に落ちてしまう。歴史と人生の変転を見事に描くゴダードの最高作登場。
ダイアナの父、辣腕で鳴らすチャーンウッドは、我々の企みをすべてお見通しだった。破格の手切れ金を提示されたガイは、マックスの許可も得ず頷いてしまう。それが、思いもかけぬ殺人劇の発端になろうとは!やがて、船上の恋の結末は周囲の人々の運命を翻弄してゆく。名匠ゴダードが放つミステリー・ロマン。