著者 : ヴァーツラフ・ハヴェル
通達/謁見通達/謁見
チェコスロヴァキアの民主化運動を牽引し、のちに大統領に就任したヴァーツラフ・ハヴェル。しかし彼の本領は、「言葉の力」を駆使した戯曲の執筆にあった。官僚組織に人工言語「プティデペ」が導入される顛末を描いた『通達』、ビール工場を舞台に上司が部下に奇妙な取引をもちかける『謁見』の二編を収め、「力なき者たちの力」を考究したこの特異な作家の、不条理かつユーモラスな作品世界へ誘う戯曲集。
力なき者たちの力力なき者たちの力
権力のあり様を分析し、「真実の生」の意義を説いたこのエッセイは、冷戦体制下の東欧で地下出版の形で広く読まれただけでなく、今なおその影響力はとどまることを知らない。形骸化した官僚制度、技術文明の危機を訴える本書は、私たち一人ひとりに「今、ここ」で何をすべきか、と問いかける。無関心に消費社会を生きる現代の私たちにも警鐘をならす一冊。解説、資料「憲章77」を付す。
プラハ獄中記プラハ獄中記
劇作家V・ハヴェルが、幽囚の遍歴の旅から妻へ宛てて書きつづけた特異な記録文学。現チェコ共和国大統領ハヴェルは、かつて社会主義政権下で反体制運動家として逮捕され、四年余の囚人生活を余儀なくされた。執筆行為を禁じられた獄中で、不条理と闘いながら、愛妻オルガへの手紙に自己表現の機会を得た作家が赤裸につづる、人生論、芸術論、哲学論も兼ねた話題の書簡集。
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