著者 : ヴィルジニー・デパント
パリの調査会社に勤めるルーシーは、30代半ばになってもぱっとしない自分の生活や仕事に嫌気がさしていた。ある日、素行調査をしていた15歳の少女、ヴァランティーヌが行方不明になる。途方に暮れたルーシーは、裏社会で名をはせる凄腕の女性私立探偵、ハイエナに助けを求める。ヴァランティーヌの家族や友人に聞き込みを重ねるうち、少女がバルセロナに向かったことを知る。ルーシーとハイエナの凸凹コンビは一路、車で同地へ。ヴァランティーヌを見つけ出し、任務は完了したかのように思えた。あの日、あの事件を知らされるまではー。フランスで20万部を突破し、ルノードー賞を受賞。ゴンクール賞最終候補。『キングコング・セオリー』著者によるベストセラー小説。
輝かしき90年代にパリでレコード店を営み「伝説」と呼ばれていたヴェルノン・シュビュテックスはいまや、家賃滞納でアパルトマンを追い出され、旧友の家を転々としたあげく、ホームレスに成り果てた。しかし、ヴェルノンの知らぬところで、多くの人が彼の行方を追っていた。映画プロデューサー、ドパレ。ドパレに雇われた女探偵ハイエナ。ジャーナリストのリディア。イスラム教徒の若き娘アイシャ。彼らの目当ては、ヴェルノンが所有する、亡きロックスターが遺したビデオ。その映像には何か大きな秘密が隠されているらしい。衝撃の真実がわかるとき、物語は予想もしない方向へー。
元・伝説のレコード店主、いまは哀愁のカウチサーファー。家賃滞納でアパルトマンを追い出された五十路の男、ヴェルノン・シュビュテックスは、輝かしき90年代に彼の店に集っていた旧友たちの家を渡り歩く。かつてはバンドマンやその取り巻きとして青春を謳歌していたが、いまは家族の問題や病、老いに直面している仲間たち。それぞれの心に、まだ音楽は響いているのか。そして、人々のあいだを転がっていくヴェルノンの行きつく先はー。ルノードー賞受賞のフランス人作家が現代フランスの市井で生きる人々をおかしみをもって描く文芸三部作、開幕。