著者 : ヴィヴィアン・ロレット
求婚はある日突然に求婚はある日突然に
芸術家でエキセントリックな両親のせいで、貴族社会からは変わり者あつかいされているデンヴァーズ家。令嬢エマは周囲から浮くのをおそれ、いつも地味な服を着て堅苦しくふるまっていた。ほんとうは絵を描くことに情熱をもっているけれど、若い娘がそんな熱意を持つことが人に知られれば、やはり変わり者だと言われかねないので隠している。会うたびにエマをからかってくる、兄の親友のラスバーン子爵は独身主義だが、結婚しないと財産を相続させないと祖母に言い渡された。困った彼は、祖母が社交シーズンでロンドンに滞在しているあいだだけでいいので婚約したふりをしてほしいとエマに頼み込む。そして、承諾したつもりはないのに、いつのまにか周りには、婚約者同士として扱われて…。思わず微笑みがこぼれる、チャーミングな愛の物語。
秘密の恋文は春風と秘密の恋文は春風と
19世紀英国。5年前に差出人不明の恋文を受け取った日から、カリオペはずっとひとりのまま。男爵からの求婚を断るほど、情熱的な文面に心奪われた彼女だったが、同様の手紙が何人もの女性たちに届いていたことを知り、想いは打ち砕かれた。それでも今も、社交界で「カサノヴァの手紙」と呼ばれたその恋文を、時折読み返している。ある日、怪我で療養中の従妹を見舞ったカリオペは、「カサノヴァの手紙」らしき恋文を最近もらったと従妹から打ち明けられ、動揺する。ちょうどその時、従妹の屋敷に滞在していた子爵ゲイブリエルがカリオペに熱い視線を送っていた。実は彼は、かつてカリオペに焦がれて恋文をしたためたが、名乗り出ることができなかったのだ。その理由は…。USAトゥデイ紙のベストセラーリスト常連作家が描く、繊細な愛の物語。
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