著者 : 七月隆文
40歳までタイトルを獲れなかった棋士は、引退まで無冠に終わるー。それが才能と加齢による限界がもたらす、将棋界の残酷な歴史。田中一義は46歳。かつて5度のタイトル挑戦に敗れ、あと一歩で栄冠に届かなかった『悲運の棋士』。それでも諦めずにきた彼に奇跡が微笑み、念願のタイトル挑戦権を手に入れた。だが迎え撃つ相手は『令和の王』-源大河八冠。まだ一度もタイトル戦で敗れたことのない、全盛期の若き天才。それは誰もが絶望する、中年棋士のラストチャンスだった。家族と戦友、元天才の弟子との絆。初恋と、青春の残光…これまでの人生すべてを星のごとく燃焼させる一義は、神の子に届くのか。峻烈な才能の世界と家族愛をみごとに描いた、傑作。
花の都パリを訪れた未羽と颯人。めくるめくスイーツを堪能し、セーヌ川をクルージングしながら極上のお料理に酔いしれるはずが、若き天才料理人ルイ・デシャンの登場で颯人のテンションが急降下↓帰国後、文化祭準備にはりきる未羽。なのに颯人の様子がおかしくて…この関係、どうなるの?夢に恋に悩むとき、甘〜いケーキは救世主。世界に一つだけの青春スペシャリテ第4弾。
お待ちかねの修学旅行は青い海きらめく沖縄。ケーキ大好き女子高生・未羽は、ビーチで高校生パティシエ大広漣と知り合い、その積極的なお誘いに押されデートの約束をする。最近なぜか不機嫌な颯人からは、漣も出場するコンクールのアシスタントに「お前しかいない」と頼まれ…何この板挟み状態っ!そして迎える大会の日。ケーキを愛する2人の甘くて熱い青春スペシャリテ第3弾。
ケーキを愛する女子高生・未羽は、世界一のパティシエである青山から店のケーキバイキングに招待された。夢の時間が始まったそのとき、外国人の美女が乱入。彼女は青山とただならぬ因縁があるらしくー!?未羽の新しい友達、颯人のリベンジをかけたコンクール、そして青山の秘められた過去が明らかに。恋も悩みも、お菓子の知識で鮮やか解決。未羽と颯人の青春スペシャリテ2弾。
瀬戸内海にほど近い町、今治の高校に通う良史のクラスにある日、本物の天使が転校してきた。正体を知った良史は彼女、優花が再び天国に帰れるよう協力することに。幼なじみの成美と健吾も加わり、四人は絆を深めていく…。これは恋と奇跡と、天使の嘘の物語。「私を天国に帰して」彼女の嘘を知ったとき、真実の物語が始まる。
幽霊が視えるようになったぼくは地縛霊の館川小梅さんと出会う。娘が今どうしているのか知りたいけどここから動けない…そんな小梅さんに頼まれ、代わりに会いに行く。そしてぼくは知ることになる。娘の鴬さんがずっと母親を憎んでいること。そこには、娘を想う母の愛が隠されていることを。少年が幽霊たちの魂を救う人気シリーズ第2弾。せつなくて、心が温まる。
バカがつくほどケーキが大好きな女子高生・未羽。失恋のかなしみを癒すため訪れた自由が丘のケーキ屋で、パティシエ修行をしている学校一のイケメン王子、颯人に遭遇。これは早くも新しい恋の予感?いやいや現実はケーキほどには甘くない。彼は噂に違わず超冷たい。が、夢への想いは超熱い。他人の恋やトラブルもお菓子の知識で鮮やか解決。ケーキを愛する二人の青春スペシャリテ。
「明くんと久しぶりに話せた…」事故がきっかけで幽霊が見えるようになったぼくは、六年前に死んだ初恋の幼馴染、桃香と再会する。昔と変わらぬ笑顔をぼくに見せる桃香は、ある未練を残してこの世に留まっていた。それは、果たせなかったあの日の約束…。桃香の魂を救うため、ぼくは六年前に交わした二人の約束を遂げるー。少年と幽霊たちの魂の交流を描く感動の連作短編。切なくて、温かい。