著者 : 七瀬晶
辻井未来は、小学2年生の娘・茉優と二人暮らし。モラハラ夫と離婚し、介護センターで派遣のヘルパーをしている。あるとき、ひとり暮らしの利用者の家に、夜中、何者かが侵入するという問題が起きた。同僚ヘルパーの晴馬が暗視カメラを置いてみることを提案。ほどなく犯人は判明し、最先端のAI機器の便利さに触れた未来は、留守番の多い茉優を心配して、自宅にも導入した。しかし、後日、茉優の姿が突然消えたー。現代に潜む、思いがけぬ危険を炙り出す緊迫のサスペンス!
日本橋の貸本屋、舞鶴屋で働くおいちは、もと吉原の花魁の卵。その可憐な姿に惹かれて、おいち目当てで訪れる客も少なくない。ある日、旧知の仲である木綿問屋伊勢屋の手代岳三が舞鶴屋にやってきた。岳三は、絵と文を使って謎を閉じ込めた判じ絵を解読するための種本を捜しているという。気軽に「本を捜してみる」と請け負ったおいちには、それが姉の千代姫も巻き込んだ大騒動の発端になるなど、知るよしもなかった。岳三は「その本には、百両の値打ちがある」と言うのだがー。双子の姉妹が入れ替わりながら禁断の書を追う、あやかしお江戸ミステリー!
吉原の大見世・扇屋の禿であるおいちは、自分が青海藩高森家のお姫様として生まれたことを知らずに育った。しかも双子の姉がいるなんて!占い師の「女の双子が生まれたならば二人を共に育ててはならぬ。さもなくば必ず高森家は呪われて、一代で滅びるであろう。しかし一人だけを残すならば、千代まで続くであろう」という予言によって、生まれたばかりのおいちは屋敷の外へ出されたのだった。本に関わる仕事がしたいと願うおいちと、意に添わぬ縁談が進む姉の千代姫は、運命に導かれ巡り会う。生まれてすぐに引き裂かれた姉妹が巻き起こす、入れ替わり騒動記!
私には話しかけないでください。友達を作るつもりはありませんー転入早々に宣言した転校生・昭島こころ。周囲に合わせることで自分の位置を確保してきた双葉絆は、クラスに打ち解けようとしないこころの態度に、流されない強さを感じ興味を持つが。たどり着けない家、何も書かれていない本、遠足での不可解な事件。こころの周りで起こる不思議な出来事は、こころを次第に孤立させてゆく。転校生の美少女は一体何者なのか!?