著者 : 三好徹
東京地検特捜部・立花検事に持ち込まれる事件は、傷害や名誉毀損・詐欺・贈収賄・強制わいせつなど多種多様。その中には裏に人生の暗部が広がっているものも数多くあり…。高度成長時代の昭和を舞台に、立花の冷帝な推理が冴え渡る『特捜検事』新編集シリーズ第二弾!
市民からの告訴や告発を受け付ける東京地検特捜部の直告係から、今日も立花検事に事件が回ってくる。小さな傷害や名誉毀損・詐欺・贈収賄・強制わいせつ事件等として処理されるはずの案件が、なぜ殺人事件に変貌してしまうのか。立花検事の調書が今、紐解かれる!直木賞作家が見つめた人生の黒い果実とは!?昭和末期の名推理が蘇る。
戦後間もない1947年、探偵作家クラブは設立された。その後、関西探偵作家クラブとの合併や法人化に伴う名称変更を経て“日本推理作家協会”となった作家団体は、今年で70周年を迎える。初代会長の江戸川乱歩から現代表理事の今野敏まで。協会の歴代理事長を務めた14人の作家が夢の競演!日本ミステリー界の第一線で傑作を生みだしてきた作家に脈々と受け継がれる妙技を綴じ込めた究極の一冊。
益州を領有し、劉備は孔明の“天下三分の計”を実現。いよいよ魏・呉・蜀の三国鼎立の時代を迎えた。だが、蜀随一の勇将・関羽が呉の呂蒙に討たれ、張飛は部下に殺され、さらに劉備も白帝城に散る。幾多の英傑たちが志なかばに斃れる中、乱世の英雄・曹操も病死する。劉備に蜀の後事を託された孔明は、曹操の遺した魏を取るべく北へ侵攻。運命の地・五丈原に立った!壮大な英雄叙事詩、堂々完結。
河北を平定し、荊州をも手中に収めた曹操は、勢いに乗じて怒涛の南進を続ける。目指すは長江下流域の江東。その覇者、孫権に対し、曹操は降伏を迫った。しかし天才軍師諸葛亮の計らいで孫権・劉備連合軍が結成され、徹底抗戦の構えとなった。長江狭しと押し寄せる曹軍の大船団。水上戦を得意とする孫権軍の大都督周瑜は、必勝の策を胸に秘め、赤壁の江上にて乾坤一擲の決戦に挑むー。
“曹操暗殺計画”に加担した劉備を討つため、曹操は徐州を攻略。一旦は降伏した関羽は、劉備の無事を知ると曹操の下を去る。中原への進出を目論む江東の小覇王・孫策の病死により後顧の憂いがなくなった曹操は、河北四州を占め強大な勢力を誇る袁紹と、雌雄を決するべく出陣。決戦の地、官渡へ向かう。一方、新野に雌伏する劉備は、稀代の天才軍師・諸葛亮を幕下に迎え、勇躍の時を待つー。
後漢末、霊帝の時代。宦官たちは帝をほしいままに操り、天下は麻のごとく乱れていた。疲弊した民衆の一部は黄巾賊となって全国に蜂起。大軍を率いて首都洛陽に入った董卓が軍政の覇権を握ると、たちまち暴政の嵐が吹く。「乱世がくるぞ」若き曹操は身ぶるいしながら思ったー“乱世の英雄”曹操を中心に、群雄たちが繰り広げる壮大な歴史ロマン。文字が大きく読みやすい新版、全5巻刊行開始!
暴君董卓が誅殺され、長安を脱出して洛陽に還幸した献帝を迎えたのは、十万の精兵を率いる曹操だった。帝を擁した曹操は、為政者として絶大な権力を握り、他の群雄から一歩抜きん出た。膝下には勇将・賢臣が集い、いよいよ天下を狙い中原の制覇を目ざす秋が来た。しかし、もう一人の英雄劉備が、雄飛の時を待っていた。終生の宿敵となる両雄の戦いは、いま静かに始まろうとしているー。
草莽の志士として幕末の動乱期を駆け抜け、維新後は、岩倉使節団に随行。征韓論争の帰結を左右するほどの重要な役割を担い、日本の近代国家としての礎を築くことになった巨魁、伊藤博文。その全生涯を、本人の手記、書簡はもとより、現存する資料や文書を駆使して余すところなく描いた。日本の近代黎明期の政治過程を浮き彫りにする、圧巻の歴史大作!その維新動乱期から、日清戦争前夜までを収録。
作者は本書で、昭和前期を過去の歴史とは扱っていない。松岡洋右を通して外交とは何か、日本人の外交とはどんなものであったかを検証しているのである。そして、その検証から浮かび上がってくるさまざまな問題点は、現代日本の外交の問題とも密接につながっている。
明治五年のマリア・ルス号事件では自ら特別裁判を開いて中国人奴隷を解放し、また賤称廃止、娼妓解放に尽力するなど、大江卓は政治家・社会事業家として独自の足跡を残した。誰もが出世栄達を望み、派閥争いに汲々としていた時代に大勢順応の生き方を嫌い、頑として己れの信念を貫き通した彼の人間としての魅力に迫る。
「俺はこの人のためとあれば命を棄てても惜しくなかぞ。」-西郷隆盛の人柄に惹かれた中村半次郎ーのちの桐野利秋は、得意の示現流の腕に冴えを見せ、「人斬り半次郎」の異名をとるようになった…。維新に賭ける志に生きた薩摩武士の若き日の情熱と颯爽たる生き方を描く。
西郷隆盛の下野とともに陸軍少将を辞して、故郷薩摩で私学校幹部になる一方、農地の開墾にあたっていた桐野だったが、時代の奔流は彼を西南戦争という舞台へ押し出していった…。新事実と解釈によって、青雲の志に生きた全く新しい桐野像を描く意欲作。
節を屈せず、茨の道を歩んだ主人公たちのそれぞれの生涯ー。悲業の死を遂げた生粋のアナキスト大杉栄、女性の尊厳を貫いた柳原白蓮、足尾銅山の悲惨を訴え続けた田中正造ら六人の生き様に深く共鳴する著者が、時の権力や権威におもねることなく、不屈の信念で生きた彼らの人生の光芒を描く迫真の人物列伝。
混成浪士隊の分裂は早く、清河八郎は去り、やがて横暴を極めた芹沢鴨も、近藤勇の命で斬られた。殺戮が日常化するにつれ、総司の天稟の剣技は冴え、一方、新選組内には殺伐の風も吹き始めた。愛人おあいを冒した労咳は総司の頑健な肉体をも蝕み、ついに池田屋での乱刃の中で喀血、時代は総司を置き去りにしはじめる…。若き剣客・沖田総司の眼から時代の激浪を見つめた歴史長篇完結篇。