著者 : 三枝壽勝
現代韓国短篇選 上現代韓国短篇選 上
未来へと駆けてゆく90年代の短篇群を収める。あのように揺るぎなくみえた韓国の家族の結びつきにさえ時代の息吹が急速に打ち寄せる。旧弊なる村人や役人と果敢にやりあうパワフルなキッチン・ドリンカーのバツイチかあちゃんに新時代の息吹を感じさせる「かあちゃんはシングルマザー」、家族に持てあまされ見放された「アンビシャスな悪ガキ」の警察署に託された日々を描いてしみじみとした哀歓の満ちる「警察署よ、さようなら」など、新しいステージに立って戸惑い、この現在に屈託する心を持ちながら今に臨む人々の素顔が浮かび上がる。収録の諸作品はいずれも現代を斬新な切り口から鮮烈な感覚で描き出す。
朝鮮短篇小説選(下)朝鮮短篇小説選(下)
朝鮮の近代小説が歩んだ道筋を概観できる短篇選。一九二○年代から四○年代始めまでの短篇から以下の二二篇を収録。笞刑、甘藷、運のよい日、桑の葉、民村、白琴、洛東江、旱鬼、地下村、金講師とT教授、そばの花咲く頃、椿の花、春・春、翼、少年行、五月の薫風、滄浪亭の記、泥濘、留置場で会った男、狩り、巫女図、習作室にて。
PREV1NEXT