小説むすび | 著者 : 三浦玲子

著者 : 三浦玲子

吸血鬼ヴァーニー 或いは血の饗宴(第1巻)吸血鬼ヴァーニー 或いは血の饗宴(第1巻)

雹と雨と雷鳴の狂乱とも形容すべきすさまじい嵐の夜、没落した名家バナーワース家の館の一室で眠るフローラは、ふと得体の知れない何者かが窓を破って部屋に侵入しようとしていることに気づく。恐怖で凍り付き、四肢を硬直させ、「助けて」とつぶやくことしかできないフローラが目にしたのは、血の気のない蒼白な顔、磨かれたぶりきのような目、深く裂けた唇、そしてぞっとするような瞳にも増して、なにより目を引く、白くぎらぎらした鋭い牙のような、猛獣のそれを思わせる突き出た醜悪な歯を持つおぞましい生き物であった。部屋に侵入した怪物は、不気味な咆哮をあげながらフローラに近づき、その長い髪を手にからめとって体をベッドに押しつけると、鋭い金切り声を上げるフローラの喉笛に牙のような歯を突き立てた。ほとばしる血潮が滾々とあふれ、室内にはそれを吸う異様な音が響いた…… ヴィクトリア朝時代のイギリスで、週刊の安価な媒体に連載された《ペニー・ドレッドフル》の代表的な作品であり、以後のあらゆる吸血鬼作品や吸血鬼造型の原点ともなったゴシック・ホラー小説の伝説的作品、世紀を超えて、ついに刊行開始! 【炉辺談話】 『吸血鬼ヴァーニー 第一巻』(山口雅也) 第一部 バナーワース館の吸血鬼

フラックスマン・ロウの心霊探究フラックスマン・ロウの心霊探究

海外の怪奇幻想小説から、傑作を選りすぐり、 一流の翻訳で、ホラー愛好者に贈るナイトランド叢書。 第3期第6回配本は、 ホームズの時代に生まれたオカルト探偵ものの先駆け的作品! ーーーーーーーー 心霊学者が、冷静沈着に解決していく 超自然的な怪事件の数々! シャーロック・ホームズと同時期に着想された、 オカルト探偵ものの先駆けとして知られるシリーズ 全12作を完全収録! 超常現象の謎を、自然の法則にのっとって解き明かす、 フラックスマン・ロウのみごとな手腕をご堪能あれ。 ===== 幽霊は、わたしたち自身の幻想や感情の中以外に存在するのだろうか? …… このテーマに対する世間の広い関心に応えるために、これから、一連の幽霊話を披露しよう。これらは、ミスター・フラックスマン・ロウが体験した膨大な数の超常現象から抜粋したものだ。 …… 彼の心理学や心霊学の研究はよく知られているし、事実上、相互に関連している。さらに、彼はこの分野の調査における優秀な研究者で、従来の古いやり方から脱却し、いわゆる超常現象の謎を、自然の法則にのっとって解き明かそうとする独創的なアプローチができる豪胆さも兼ね備えているのだ。 (まえがきより) ===== ハマースミス「スペイン人館」事件 メダンズ・リー事件 荒地道の事件 バエルブロウ荘奇談 グレイ・ハウス事件 ヤンド荘事件 セブンズ・ホールの怪 サドラーズ・クロフト事件 カルマ・クレッセント一番地の謎 コナー・オールド・ハウスの謎 クロウズエッジの謎 フラックスマン・ロウの事件

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