著者 : 三須祐介
亡霊の地亡霊の地
ベルリンで同性の恋人を殺した陳天宏は、刑期を終えて台湾の永靖に戻って来る。折しも中元節を迎えていた故郷では、死者の霊も舞い戻る。天宏の六人の姉と兄、両親や近隣の住民。生者と死者が台湾現代史と共に生の苦悩を語る、台湾文学賞、金鼎賞受賞の長篇
次の夜明けに次の夜明けに
台湾の新世代作家の一人、徐嘉澤。本作が本邦初訳。一九四七年、二二八事件に始まる台湾激動の頃。民主化運動で傷つき、それまでの生き方を変えなければならなくなった家族。新聞記者の夫とともに、時代の波に飲まれないよう、家族のために生き、夫の秘密を守り続けて死んでいった春蘭。残された二人の息子、平和と起義は、弁護士と新聞記者として民主化とは、平和とは何かを追求する。起義の息子、哲浩は、歴史にも政治にも関心がなく、ゲイだと告白することで一歩を踏み出す。三代にわたる家族の確執を軸に、急激に民主化へと進む時代の波に翻弄されながらも愛情を深めていく一家の物語。
太陽の血は黒い太陽の血は黒い
おれは見たんだ。太陽がゆっくりゆっくりゆっくりと緑色に変わっていくのを。そして黒い血が流れ出てくるのを…台北の浮薄な風景に傷の記憶のゆらぎをきく、新たな同時代文学への試み。
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