小説むすび | 著者 : 上木さよ子

著者 : 上木さよ子

尼僧院から来た花嫁尼僧院から来た花嫁

黒い僧衣に白いベールを纏った乙女。 これが、我が妻となる娘か! 孤児のジリアンは無慈悲な伯父によって尼僧院に入れられた。 なじめないながらも、そこでの暮らしに慣れた頃、 彼女のもとを、ニコラス・ド・レーシと名乗る美男が訪ねてきた。 ド・レーシ家といえば、国じゅうに聞こえた大金持ちだけれど、 そんな人が、尼僧見習いの私にどんな用が? 「私たちは結婚するのだ。そなたに選択の余地はない」 聞けば、ジリアンの伯父が死に、国王の命により、 伯父の領地と隣のニコラスの領地を一つにするため結婚せよというのだ。 美しいけれど冷酷無情な彼の瞳には、なぜか蔑みの炎が揺れていた。 日が暮れ、ジリアンはそっと逃げ出そうと窓から飛び降りるがーー その姿を上階から見ていたのは、なんと……ニコラスだった! かつて深手を負ったニコラスはジリアンの伯父に見殺しにされた恨みがあり、もうこの世にいないその宿敵の血を引く彼女を妻にして、酷い扱いをしてやろうと考えます。そして夫婦の契りも結ばず、奥方としての役割も禁じますが、それで弱るジリアンではなく……。

シンデレラ・ストーリーズ 2シンデレラ・ストーリーズ 2

『アテネに恋して』-まじめで地味なレベッカは伯母の死をきっかけに仕事をやめ、家も家財道具もすべて売り払い、ギリシアの島へ自分探しの旅にやってきた。ホテルのレストランで魅惑的な男性ステファノスからシャンパンをおごられ、旅行を思いきり楽しむため、衝動的に洗練された女を演じる。ところが、ステファノスは実はギリシアの大富豪で…。『危険な薔薇』-故郷を離れシカゴで孤独に暮らすクリスティのもとにある日、差出人不明の薔薇の花束とメッセージが届いた。ストーカーの影におびえていたクリスティは警察に通報するが、駆けつけた刑事の姿を見て思わず目を疑った。かつて彼女が初めて恋し破れた相手スコットが、すっかり大人の男性となってそこに立っていたのだ。『熱い砂の上で』-実業家のアダムは、幼なじみのメルと7年ぶりに偶然再会した客船の船上で嵐に襲われ、二人きりで無人島に流れ着いた。貧しい少年だったころ、名家の令嬢メルへの恋心をもてあまし、彼女をいじめてばかりいた。今、メルは昔と変わらぬ嫌悪の表情を向けてくる。この機会に誤解を正し、彼女の身も心も手に入れたい。アダムはひそかに決意し…。

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