著者 : 中村白葉
トルストイ前期短篇集トルストイ前期短篇集
気位ばかり高い俗物貴族を皮肉たっぷりに描いた「陣中の邂逅」、酒で身をもちくずす天才音楽家への共感のまなざしに満ちた「アリベルト」、ヨーロッパ旅行中に目撃した死刑執行など西欧文明への批判をこめた「リュツェルン」ほか、「三つの死」「ポリクーシカ」の計5篇を厳選。文庫本初収録。
イワンのばか 他八篇(民話集)イワンのばか 他八篇(民話集)
ここに収められた「イワンのばかとそのふたりの兄弟」はじめ9篇の民話には、愛すべきロシアの大地のにおいがする。そして民話の素朴な美しさの中に厳しい試練に耐えぬいたトルストイ(1828-1910)の思想の深みがのぞいている。ロマン・ロランが「芸術以上の芸術」「永遠なるもの」と絶讃し、作者自身全著作中もっとも重きをおいた作品。
人はなんで生きるか 他四篇(民話集)人はなんで生きるか 他四篇(民話集)
ここに収められた五つの短篇はトルストイ(1828-1910)晩年の執筆になるもの。作者はこの時期いちじるしく宗教的・道徳的傾向を深めていた。そして苦悩に満ちた実生活を代価としてあがなったかけがえのない真実が、幾多の民話となって結晶していったのである。これらの作品には、素朴な人間の善意にたいする確かな信頼が息づいている。
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