著者 : 五十嵐貴久
草野こよりは今年キャリア十年のウェディングプランナー。千件近い結婚式をプロデュースしてきたが、ついに自身の結婚式が三カ月後に迫ってきた。相手は美容師の遠藤幸雄。言うことなしの彼女なのに、なぜか心の中は不安で一杯、気がつけばマリッジブルーに。そこへ、フランスへ修業に行っていた元彼の徳井孝司が、提携しているレストランのスーシェフとして戻ってきた。門出を迎える新郎新婦を見守りながら、こよりの心は揺れ続けるが…。ウェディングプランナーなのに、マリッジブルーになっちゃった!?
金銭的に恵まれ、女性にも不自由しない俺。ある日マンションに帰ると、以前付き合っていた女性が部屋にいた。帰れと言ったそのとき、背後から顔を布で覆われ、俺はそのまま意識を失った…「ぽきぽき」、僕の大事な友達の兄がレイプ事件の犯人として逮捕された。冤罪の可能性はあるが、いらぬ噂が立ち、友達は学校にこなくなった。そのとき僕がとった行動とは…「オープン・セサミ」など、作家デビューの年に発表された短編5編を収録。初文庫化作品を含む文庫オリジナル。
高さ四百五十メートルを誇る超高層タワーが銀座にオープンした。数万人が集まる営業初日、漏電による小火が発生。防火設備を過信するあまり対応が遅れ、タワーのあちこちで炎が噴出。嵐のような火が群衆を混乱に陥れた。未曾有の大火災に飛びこんだ銀座第一消防署の消防士・神谷夏美は最上階に取り残された人々を救えるのか?究極のパニック小説、待望の文庫化!
“神戸発釜山行き、豪華客船レインボー号で行く魅惑のショートクルーズ”-五日間の休暇がとれた銀座第一消防署の消防士・神谷夏美と柳雅代は、贅沢な船旅を張り込んだ。全長三百メートル、十一階建ての威容に圧倒されるも、非常設備の不備や通路の狭さなどに不安を覚える。一方、船長の山野辺は、経営難の会社から、種子島にカジノを誘致する計画の第一人者・民自党の石倉代議士を接待し、新航路を獲得するよう厳命されていた。山野辺は、支援者のために洋上で花火を打ち上げたいという石倉の希望に添うべく種子島沖へ航路を変更。だが、数時間後、異音と共に排水が逆流し船が傾斜。その上、南洋にあった巨大台風が大きく進路を変え、後方に迫り始めていた…。21世紀の『ポセイドン・アドベンチャー』、ここに誕生!
東大卒キャリアとして出世街道を歩んでいた道定聡警部は、部下の不祥事により突如、経験のない捜査現場の前線に配属された。美人だがガサツな山口ヒカルとコンビを組まされ、新宿OLの高層マンション飛び降り、新興宗教の教祖殺人など、解決不可能と思われた難解奇怪な事件の担当になる。常にやる気のないヒカルだが、時に天才的な直観を発揮して事態を収束に導いていきー。“迷”コンビの活躍を描く、爽快な連作短編集。
引きこもりの高三女子・詩織、ミュージシャンの夢破れた三十男・リュー、ヤクザまがいのおっさん・サトケン…。震災の爪痕も生々しい気仙沼に、素人ばかりで結成されたアイドルグループ「KJH49」。ほぼ一カ月の猛練習でデビューステージに立ったはいいけれど、「震災の被害者ヅラしたインチキアイドル」とネットは大炎上、早くも暗雲たれ込めて…。実話をもとにした笑いと涙の感動ストーリー。
同僚の真由美のひと言から、社長の金城と玲子に因縁めいた過去があることを知る雅也。そんな折、女子大生の依頼でストーカーの捜索と彼女の身辺警護に携わる。だが、消息は掴めず、やがて、事態も収束かと思われたその矢先、彼と任に当たっていた玲子が姿を消す!そして明らかになる金城たちの過去とは…!?仲間のために探偵社のメンバーは街を駆ける!シリーズ第三弾。
高尾で発見された手足と顔がない死体は、十年前ストーカー・リカに拉致された本間だった。警察官を殺し、雲隠れしていたリカを追い続けてきたコールドケース捜査班の尚美は、同僚の孝子と捜査に加わる。捜査が難航する中、孝子の恋人、捜査一課の奥山の連絡が途絶えた。彼の自宅に向かった二人が発見したのは…。『リカ』を超える衝撃の結末。
出版社の経理部で働く久美子は、突然新雑誌の編集長に任命されファッション誌をつくることに。二十七歳で、編集未経験の彼女は大パニック!さらに集められた創刊メンバーはクセモノばかりで彼氏の学まで部下になる始末。久美子は書籍編集者の学を頼るが、どこかとんちんかんで…。無事雑誌は創刊されるの!?働く女子が悪戦苦闘する、お仕事×ラブコメディ!
正式に探偵社に入社した井上雅也。だが、地味な仕事続きで不満気味。そんな折、社長の金城から任されたのは、商社マンの美しき妻・志津恵をクリニックへ送迎することだった。渋々引き受けた雅也だったが、一目で彼女に魅了される。着々と仕事を進める中、送迎車の消失や謎の男からの暴行など予期せぬ事態が起こる。探偵社の面々を待つ驚愕の真実とは!?シリーズ待望の第二弾!
憧れのバスケ部に入部届を出したジュンペー。ところが、三年生が不祥事を起こして一年間対外試合禁止、とばっちりを食った二年生はジュンペーら一年生の練習参加を拒否する。諦め切れないジュンペーは、「勝てば練習参加、負ければ退部」を賭けて、二年生に試合を申し込む。しかし試合に必要なメンバーが足りない!?女子との練習試合でボロ負け!?いったいどうなるの??高校バスケを舞台にした、青春スポーツ小説。
小学六年生になった息子の様子がおかしい。どうも恋をしているらしい。探偵である“おれ”が訊ねるとあっさり認めたが、彼女は間もなくイギリスへ引っ越すという。それでも告白するという息子に、おれは全力で応援することを告げる。一方、ある事件を通して知り合った老人から「知り合いが振り込め詐欺に遭った。何とかしたいので手伝ってくれ」との連絡が入る。おれは話をきくため、カフェに向かった…。東京・吉祥寺の町を探偵・川庄が今日も走る。個性的な脇役も光る書き下ろし探偵ミステリー。
大手企業に就職したものの、うだつの上がらない日々に塞ぐ井上雅也。ある日、南青山骨董通り探偵社の社長・金城から突然話しかけられた。「探偵になる気はありませんか?」。雅也は訝しみながらも体験入社をするが、厄介な事件に関わることになり…。個性的なメンバーの活躍が、軽快なテンポと極上のサスペンスで繰り広げられる、ベストセラー作家の新シリーズ始動!
いつものようにアルバイト先のコンビニに出かけようとしていると、日本で一番会いたくない男、警視庁の工藤が訪ねてきた。きれいな女子大生を連れていて、彼女を守ってくれと言う。聞けば、ストーカー被害に遭っているらしい。それなら放っておけないと、警護を引き受けた“おれ”。怪しい男を見つけ、追跡するが…。緊迫感とユーモアが溶け込んだ書き下ろし探偵ミステリー。不器用だけど静かに熱い探偵・川庄の活躍と、ひとりの男の成長に注目!