著者 : 井上一夫
酒場を訪れた青年は、おもむろに身の上話を切りだした。「おれがまだ小さな娘だったころー」。イーサン・ホーク主演で映画化されたタイム・パラドックスの傑作である表題作(映画化名『プリデスティネーション』)、自分を尾行するよう依頼してきた男ホーグ氏をめぐる謎に巻き込まれていく私立探偵の夫婦を描いた「ジョナサン・ホーグ氏の不愉快な職業」など、巨匠ハインラインの精髄を味わえる全6篇を収録した傑作集。
老女は胸を撃たれ、アパートの部屋に横たわっていた。そばには安ウィスキーの瓶が…現場に急行したキャレラたちは、被害者の意外な素顔に驚いた。その老女は、かつては絶大な名声と人気を誇ったピアニスト、スヴェトラーナ・ディアロヴィッチだったのだ。隣人の証言によれば、引退したスヴェトラーナは酒びたりの孤独な生活を送っていたという。わずかな金を狙った強盗の犯行か?が、やがてスヴェトラーナが大金を孫娘に遺していた事実が判明し、その金をめぐる熾烈な争奪戦が!87分署シリーズ最新刊。
英国で最も重要な情報機関WOOC(P)。新たにその一員となったわたしは、失踪した化学者をジェイなる人物の手から取り戻す任務を与えられた。ジェイは一連の要人失踪事件を操る黒幕らしい。問題の化学者は、東側に拉致される途中、レバノン山中で奪回。だが依然として、ジェイと彼の組織の動向はつかめなかった。謎を追い、ロンドンの不気味な家、南太平洋の原爆実験島と動き回るわたしは、やがて自分が東側の二重スパイとして追われていることを知る!巨匠が斬新な文体と卓抜なストーリー展開で、スパイ小説の新世紀を拓いた鮮烈なデビュー作。
発端は、2人の英国人が写っている1枚の古びた写真だった。1人は若き日のイァン・フレミング。だがもう1人の、黒髪でたくましそうな少年は…。彼の名前に驚いた私は、さっそく調査を始める。やがて、英国秘密情報部が意外な申し出をしてきた。私は彼の伝記を執筆することになり、彼に紹介されたのだ。「ようこそ、こちらがボンド中佐」-007号ジェイムズ・ボンドが、謎に包まれた波瀾の人生を自ら語る!数々の危険な任務、苦い失敗、愛し愛された女たち…。007への愛をこめて、ジェイムズ・ボンドのすべてを描く、007ファン必読書!