著者 : 井戸川射子
無形無形
年老いて病を患う祖父と、彼の面倒を見る孫娘。親が失踪した姉弟。夫に先立たれ、近所の犬の世話をする老女。友情以上の感情を育む少女たち。守りたい兄と、それを疎ましがる弟。海辺の団地に集う人々に流れる、季節と記憶ー。気鋭の芥川賞作家・井戸川射子、待望の初長編。
この世の喜びよこの世の喜びよ
幼い娘たちとよく一緒に過ごしたショッピングセンター。喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。かつての子育ての日々を思い出す女性ー「この世の喜びよ」。ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦ー「マイホーム」。父子連れのキャンプに叔父と参加した少年ー「キャンプ」。
ここはとても速い川ここはとても速い川
中原中也賞受賞の注目詩人、初めての小説集。児童養護施設に暮らす小学生・集は、年下の親友と淀川にいる亀たちを見に行くのが楽しみだった。温もりが伝わる繊細な言葉で子どもの心を描く表題作と、小説第一作「膨張」を収録。
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