著者 : 井辻朱美
ふとした南の国へのあこがれから、騎士の身分を捨てることになったエルガーノは、放浪の旅の道すがら、旅篭や酒場のけむりの中、人びとに歌い語る。猛だけしい戦さのさまを、海の王国の美しい女王の恋物語を…「エルガーノの歌」、雪をいただく山の上にひとりで棲んでいた神ロムセイは、数百年ぶりに訪れたふもとの村の狩人の願いに応え、花嫁として村へ下った。だが、ロムセイのあまりの美しさは狩人を破滅へ導いていく「黄金の髪のロムセイ」、十字軍兵士とエジプトの少女の霊の物語「ファラオの娘」、など珠玉のファンタジイ短篇13篇を収録。
いまこの世界には、大きく恐ろしい力が働いている。そして人間たちは、かつてない大戦に巻き込まれようとしている。それは永遠とも呼べるほど長い時間にわたり、多くの次元の運命を決することになる大戦である…。この世ならぬ地、タネローンを求め、旅に出るホークムーン。そして彼の前に姿を現わす《永遠の戦士》たち。《ブラス城年代記》完結編。
ホークムーンの世界は変貌してしまった。今の歴史によれば、ロンドラ会戦から5年間、彼は狂気にとらわれていたという。ここには存在しない妻とふたりの子供もまた、狂気ゆえの幻想であった…。そんな彼のもとを、ある日カティンカと名乗る女性が訪れる。イッセルダの姿を求め、彼はカティンカとともに旅に出るが…?快調の三部作、第2巻。
ロンドラ会戦より5年の歳月が過ぎ、カマルグには再び平和な日々が訪れた。だがある日のこと、ホークムーンのもとへ、戦死したはずのブラス伯を見たという知らせがもたらされる。ホークムーンを知らず、あまつさえ彼を裏切り者と呼ぶ、このブラス伯は何者か?一方、旧暗黒帝国の残党は不気味な活動を始めていた。待望の《ブラス城年代記》三部作。
恋しいエルミザードの消息を求めて、エレコーゼは黒い船に乗り、新たな次元ー〈輪の界〉へと出発した。そこで〈混沌〉勢力を粉砕すれば、エルミザードのいる次元へ帰れるかもしれないと信じて。〈輪の界〉の沼地を進むエレコーゼは、ナチス・ドイツの非道を逃れ、この次元にやってきたゲルマン貴族フォン・ベックと知りあった。ふたりは大型蒸気船に乗りこんで〈輪の界〉の中心部をめざすが、その行手には地獄の公爵バラリザーフの罠が待ちかまふていたのだ。さまざまに転生を重ねながら〈混沌〉を戦う英雄エレコーゼの活躍を描く、待望のシリーズ第三弾。
ニュース、ニュース、大ニュース!あの貧乏学生のロジャーが、とつぜん大金持ちに変身だって、信じられる?お母さんがなくなったとたんに明るみに出たロジャーの出生の秘密ーじつはロジャーはブルースといとこ同士だったの。かくしてロジャーはパットマン屋敷に移り住んで、スーパーリッチな生活のはじまりっ!でも、ガールフレンドのオリヴィアは、なんだか心配そう。ロジャーはなれない生活で失敗の連続だし、ふたりの仲もどうなることやら…。
シルヴァー・イオナイズド・自動制御・人間型・エレクトロニック・ロボット。-エレクトロニック・メタルズ社が試作した精巧仕様型ロボットのひとつ。とび色の瞳に赤褐色の髪、銀色の膚をしたシルヴァーはギターをつまびき、ありとあらゆる歌を紡ぎだす。ひとびとはデモンストレーション中のかれの歌をきそって聴きたがった。だが、たったひとつだけ、エレクトロニック・メタルズ社にとって誤算が生じた。人間そっくりのシルヴァーに恋する少女が現われたのだ…。近未来を舞台に、物語の名手タニス・リーが情感豊かに描きあげる、少女とアンドロイドとのSFラブロマンス!