著者 : 井野上悦子
両親にほったらかされ、孤独な子供時代を過ごしたアリー。今、諜報員となった彼女は、カリフォルニアへ向かっていた。10年前から任務を離れている伝説的人物イーストを説得し、なんとしても復帰させるという密命を帯びて。だが初めて会った瞬間、アリーは心を奪われてしまう。わたしは彼を待っていた気がする。生まれてから、ずっと。冷静な判断力でこれまで任務に失敗したことのないアリーだが、今回は思った以上に困難なものになりそうだった。彼といると孤独が癒やされ、仕事さえ忘れそうになるから…。ところが、アリーがやってきた目的を知るや、イーストは彼女に憤然と命じた。「口を閉じてここから出てってくれ!」
運命の巡り合わせが、封じこめていた恋心を揺さぶり起こす…。静かに切なく燃え上がる、秘めやかなクリスマス傑作選。男性経験のほとんどない、奥手のアンバーは大富豪ロッコと身分違いの恋に落ちた。だが二人の関係をゴシップ紙に売ったと誤解したロッコに、アンバーは捨てられたのだ。せめて彼の子を妊娠していることだけでも伝えなければ。その一心で電話をするも、返ってきたのは心ない言葉。“ストーカーみたいなまねはやめてくれ”アンバーは幼な子を連れて奈落の底に沈んだ…。1年半後、それまでの職を失い、庭師として働く彼女は偶然出逢うー相変わらず先練されて、非のうちどころのないロッコに。L・グレアムらが競演する愛の短編集。
アメリカ大統領オスロ訪問の警護で起きたアクシデントを隠蔽したい上層部の意向で、ハリーは公安警察局に異動となる。警部に昇進したものの、各地からの報告書に目を通すだけの閑職だ。しかし、ある報告から、ノルウェーに高性能狙撃ライフルが密輸された形跡を見て取る。何かが起ころうとしているー。『ネメシス 復讐の女神』『悪魔の星』へと続く、壮大な物語の幕開けー満を持して登場!CWAインターナショナルダガー賞最終候補作!ハリー・ホーレの物語の原点にして、シリーズの行方を決定づけた重要作!
高性能ライフル密輸入の謎を追うハリーは、銃を手に入れた人物が、第二次世界大戦中に東部戦線で戦った男ではないかと見抜く。また、銃密輸組織の頂点に“プリンス”と名乗る男がいることを知る。一方、ハリーの同僚刑事のエッレンは、ひょんなことから“プリンス”の正体に気付いてしまい…。第二次大戦から戦後のノルウェー史の闇に潜んでいた亡霊と対峙するハリー。傑作ミステリー。