著者 : 今江祥智
兄貴兄貴
父を失い、長兄を兵隊にとられた洋と洋次郎の兄弟は、空襲で家を焼かれ、かあさんの田舎へ疎開した。デパートも映画館もない小さな町で、初めての畑仕事や魚とりに精を出し、動員先の工場では地元工員たちと大喧嘩、そして“前線慰問用”の宝塚予科生との交流。そこにはもうひとつの“戦争”があった…。ひと夏の経験を通して成長していく兄弟の姿を瑞々しい筆致で描く感動の長編小説。
冬の光冬の光
あかりも中学1年生になった。とうさんも絵本作家としての活動を続け、個性的なライバルたちに刺激を受ける毎日だ。あかりの今の悩みと言えば、本の置き場がなくなってきた狭くるしい家と、とうさんと山名さんとの宙ぶらりんの恋の行方ー。思春期を迎えた多感な少女と父との、ちょっぴり変っているけれど魅力的な二人暮しを、やわらかな筆致で綴った、『優しさごっこ』の続編。
ワンデイインニューヨークワンデイインニューヨーク
ある朝、ニューヨーク56番街に中年の劇作家イェップ・マスカットがふらりと戻ってきた。舞台女優の夢を捨て切れぬ妻、ブルックリン・ドジャースが大好きな息子と母親似の娘、そして幼なじみや懐かしい人たちとの再会…。ニューヨークの街を歩くイェップの前に人生のほろ苦さと暖かさ、憂鬱と輝きが浮かび上がる。誰よりも人間を愛し続けた作家、サローヤンの自伝的代表作。
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