著者 : 今邑彩
クリスマスイヴを控え、ペンション「春風」に集った七人の客。そんな折、オーナー・晶子のもとに、二十一年前に起きた医者一家虐殺事件の復讐予告が届く。刻々と迫る殺人者の足音を前に、常連客の知られざる一面があらわになっていき…。復讐を心に秘めているのは誰か。葬ったはずの悪夢から、晶子は家族を守ることができるのか。
私は彼女の事を何も知らなかったのか…?大学へ通うために上京してきた春海は、京都からきた麗子と出逢う。お互いを干渉しない約束で始めた共同生活は快適だったが、麗子はやがて失踪、跡を追ううち、彼女の二重、三重生活を知る。彼女は名前、化粧、嗜好までも替えていた。茫然とする春海の前に既に死体となったルームメイトが…。
旅行先の島根県松江市のホテルで、画壇の巨匠・月原龍生が失踪した。同じころ、出雲大社内で男の肉体の一部が発見される。さらに島根県各地のスサノオを祭る神社から次々と同じ男のバラバラ死体が。鑑識によって死体は月原と判明。だが、ホテルは月原が外出できない特殊な状況に…。何故、ヤマタノオロチの如く月原は解体されたのか?そしてスサノオの意味は?月原の妻・芳乃の調査依頼を受けた探偵・大道寺綸子は、かつて月原をオロチと呼んだ男の存在を知り、真相を追うが…。
70年近くも昔の奇妙な三つの死。昨年の冬、完璧に封印された館で発見された、不条理きわまる六つの死。…過去に9人もの命を奪った“呪われた館”を今また6人の男女が、警察も見放した謎を解明すべく訪れた。推理行の果てに浮かびあがる戦慄の犯人像、そして新たなる惨劇。恐怖と幻想の本格ミステリー。
1年前、不慮の事故で夫を亡くし、行き場を失った相馬千鶴は小学1年の沙耶を連れて伯父の家に身を寄せる。子供のころ母と2年ほど過ごした田舎町。千鶴が戻ったことを知った幼なじみ5人が歓迎パーティを開いてくれた。懐かしい再会。が、話題は22年前のあのことに。寺の古井戸に幼女が扼殺され投げ込まれていた事件だ。実は仲間のひとり高村の子供も去年、同じ手口で…。そして今度は裕司の愛猫が首を絞められ川に。厚子の娘桜子が校庭の焼却炉で…。さらに奇怪な殺人が。